ひな祭りを見に行ったら、地元のおじさんとスタンプラリーを巡ることになりました
ひな祭りイベントに行くことが趣味だ。全国には3大つるし飾りやかつうらビッグひな祭りなど趣向を凝らしたひな祭りがあるが、町へもう一歩踏み込みたい自分にとっては商家回遊型スタンプラリー形式が最適である。それで今回は埼玉県飯能のひな祭りに行ってきた
家からわりと近いのに行ったことなかった
ひな祭りを趣味にすると旅行にもなって良い。関東地方はひな祭りイベントが多種あり、都内の家から普通電車で1〜2時間で行くことができる
特に茨城県が盛ん
10時半に飯能駅に着いた
ムーミンパークがあるとか知らなかった
駅の観光案内で台紙をもらい、スタンプラリーを始める
外へ出る前に駅ビルに寄ったらスーパーがやけに賑わっていて、みんな業務用みたいな肉をカゴに入れていた
スタンプは参加店ごとに1つ置かれ、20個集めると冒頭の「ひな咲くまち」ポスターと同じ絵のクリアファイルがもらえる。範囲は駅周辺から車で30分のところまで全126か所。今回は徒歩で巡れる市街地に絞って行く
黒マルの店と赤マルの店を巡る
駅ビルを見ていたらもう11時過ぎたけれど、今日はスタンプラリー開催初日。はりきっていくぞ
通りの石がかっこいい
1軒目「絵梨邑」
何屋かマップに記載がなかったが着いてみたら化粧品屋だった。店頭のひなツリーが変わっている
一階の化粧品カウンターでスタンプを押してもらうと、“二階にも飾りがあるから見ていって”と言われた。この交流がスタンプラリー形式ひな祭りの良い所である
化粧品売場
二階は手芸店で、手作りのつるし飾りとマッチしていた
飾りを作りたいと思ったらすぐに材料が買える
絵梨邑を5分ちょっと見学して次へ向かった。駅ビルとはまた別の食品スーパーを通った時にふと、“今日何でこんなに混んでんの?”“給料日だからだよ”という町人の声が聞こえて、なるほど
スーパーの駐車誘導マンがマップを手に歩く自分へ、“○○を見に行ったらいいよ!”と遠くから教えてくれたけれど、何ていうところだったか忘れてごめん
2軒目「喫茶 木洩れ陽」
ピンクののぼりがスタンプ設置店
飲食しなくても店の奥まで進み、店のママからスタンプがもらえる。2つ目で気付いたが、どうやら飯能では手塚治虫スタンプを集めるようだ
元編集担当が市の青年会にいたかららしい。思いがけないかわいいスタンプにやる気が増した
ママから❶はどこでもらったの?と聞かれた。そういえば絵梨邑の店員が自店のスタンプを“今年は可愛いわね”と言っていたので、スタンプは市から店へ毎年ランダムに渡り、リボンの騎士は当たりのようだ。
木漏れ陽にはオーナーが集めたアトムグッズや記念硬貨の展示もあり、ひな飾りより見てしまった。「造幣局が作った不良硬貨セット¥160」が気になった
※当記事はひな飾りに特化したレポートではありません
スタンプを押しに来ただけなのに、お土産に切手までもらった。あとで時間があったらバナナジュースを飲みに戻って来たい
10分ちょっと滞在した
3軒目「大澤洋服店」
大澤洋品店はごめんくださいと呼んでも届かず、入口に置かれたスタンプを自分で押した
次へ進むと拝殿から生えているような大きな御神木が見えたので寄った。狭い敷地が木に覆われて聖域の感じがした
このとき12時過ぎでスタンプ3個。観光案内では2時間くらいでラリー回れると聞いた気がするが…。この先はコンパクトに行く
3、4軒目「丸広百貨店」
2スタンプゲットできた。タコの吊るし飾りに絞り染めの柄がよく合う
5軒目「飯能信用金庫」
静まり返ったエントランスで受付男性と対面しながら
6軒目「中屋商店」
折り紙に包まれた飴をもらえた
7軒目「マサカヤ薬局」
店の主人がつるし飾りの所以をクイズ形式で教えてくれた
8軒目「八高商会」
“友子おばあちゃん手造りです”
9軒目「深田屋商会」
工具とのコントラスト
10軒目「理容フクシマ」
御殿飾りとパーマあてる機械が絶妙に頭上つながり
11軒目「松林堂菓子舗」
各地のイベントに使用される雛人形は商家(個人宅)に伝わるものと、寄付などに大別されるが、飯能のひな祭りは商家に代々伝わるものらしい
12軒目「月光堂カメラ店」
店の前ですれ違ったご婦人が“あなた飯能の人?”と声をかけて下さり、おすすめの飾り店を教えてくれた
13軒目「フタバ」
マネキンがお父さんとお母さんのよう
14軒目「こめよし商会」
飯能は西川材が特産
15軒目「小さなブティックAKINDO」
黒マルのスタンプを集め終えた
そこへ地元のおじさんがやってきた。おじさんはスタンプを押したあと店のママと、自身が履いてきた変わった靴の話をしている
軍手の質感で履き口は紐のスニーカー。ママも履いてみたことがあるけれど合わなかったと話している。思わず自分も会話に参加し、写真を撮らせてもらった
スタンプについて、自分はこれから赤色を集めに郊外へ行くと告げると、二人から時間が間に合わないかも…と心配された。今14時。スタンプラリーの景品交換時間は16時迄
オレンジ色のコースで行くと観光案内で聞いた通り2時間くらいで回れるようだけど
景品が目的ではないので、べつに間に合わなくてもいいのだが、不慣れな道だ。二人の提案でおじさんに案内してもらうことになった。これから約1時間半を共にする。
まずは銀座商店街(AKINDO前の通り)のスタンプをおじさん自身が押して行く
銀座商店街はスタンプが密集し、店頭でセルフが多くサクサク進んだ
おじさんは飯能ひな祭りスタンプラリーが開催されてから今年15回目まで、毎年参加しているそうだ。現時点でスタンプ2個だが、あと2時間以内で全て集めるというプロであった
観光案内もしてもらっちゃった
軍手感のスニーカーは履くようになってから体の調子が良く、2万円。足取りが軽かった。趣味はスキー
能仁寺。大きな燈籠がかっこいい
おじさんのスマホが時々鳴るので尋ねたら、ポケモンGOだった。70歳でゲームに好奇心を持てるとは素敵である
昔併設されていた幼稚園に通っていたという観音寺。ここも燈籠がかっこよかった
孔雀明王だ!
ムーミンパークや発酵食品のパークができること、地元のアニメ、美味しい店、近所の店へ有名人の妹が嫁いできたなどのこぼれ話も伺った
けっこう遠くまで来た。一人では無理だったと思う
おじさんのおかげで無事にゴールすることができた。最後の会場いっぱいのつるし飾りがくす玉に見えた。
20軒目「絹甚」
16〜19も楽しくすごしました
おじさんは毎年一人でひな祭りスタンプラリーを回っていると言っていた。自分もそうだ。もしかして初めてスタンプラリー友達ができたかもしれない。
16時にさしかかる頃、我々は名物のまんじゅう屋の前で“また来年”と言って別れた
新島田屋
飯能味噌付まんじゅうは、焼きまんじゅうにあんこが入っていて美味しかった
まんじゅう屋の主人へこれまでのことを話すと、主人はおじさんを知っており“走ってなかった?”と言った。地元では走ることで有名らしい
駅へ戻る途中、飯能の燈籠がかっこいい件について新井石材店へ尋ねてみた
駅前通りのオブジェも石だし、石にまつわる町なのかしら
聞くと能仁寺を始めとした燈籠は港区増上寺から移されたもので、徳川のものとはどうりで立派なのであった。よく見たら葵の紋があった
大きい燈籠が町に点在してた
終わりに、新島田屋の主人からおすすめのひな祭りを聞かれたので答えたことを紹介します
飯能辺りから行くなら近めの「鴻巣びっくりひな祭り」がインパクトあって男性にも良さそう
「真壁のひな祭り」は町おこし的ひな祭りの先駆けで見応えと歴史的風情がいい
真壁のひなまつりはマルシェ - きっぷ2000円 酒300円
おもしろなら名古屋方面の「福よせ雛」でしょうか
また、“ひな祭り以外ではどういう所に行くの?”と聞かれ、以前は石仏を見に行っていたけれど車じゃないから大変。(石仏は郊外や山に多い) 今は飲んでばかりですね。と答えた
飯能到着時のスーパーの肉を買う人々に触発されて、帰りに肉を食べようと居酒屋「のんのん」へ寄ったら、お客に福岡県柳川出身者がいた。柳川は3大つるし飾りの町である。ひな祭り冥利に尽きた