いつもの帰省ブログを書いたら、ふわッふわの仕上がりになった。日ごろ辛口の本醸造など飲む自分が猫と戯れていて、この感じはラインスタンプのあれだなと思った
ふだん使わない系統のスタンプ
そのうえ書き終えて気付いたら、登場する店の名まで「フワリ」だった。以下はそんなふわふわとした取り留めのない記録である。
東京から仙台へ、今年の冬は年末と年始の2回帰省した

年末ドーナツ

年始メンチカツ
相変わらず18きっぷで途中下車しながら、揚げ物を買い食い帰っている
揚げ物といえば地元の友人が、わかめの唐揚げが好きだと言った。今まで意識していなかったけれど東北の食べ物なのだろうか。東京では見かけない気がする


宮城県岩沼駅近くの居酒屋「風和里」と、福島県郡山のスーパーのワカメ唐揚げ
年末はドーナツなど食べながら進み、福島県の藤田駅(国見町)に寄った。それは数ヶ月前、有楽町の物産展へPRに来ていた国見の町人に、“おいで”と言われたからだった

国見町は駅近くで観光ができて18キッパーにおすすめと言われた
下調べをしたところ町には蔵が多いらしく散策を楽しみにしていたが、この日の自分は到着が遅れてしまった


もう暗いし寒い。蔵、見えるかな
遅くなった上に物産展でもらった国見町ガイドマップを忘れてきてしまった。駅に観光案内はなかった。理想では物産展に来ていたおばちゃんが観光案内所の人だったりして、再会してキャッキャしたかった

知らぬ町にポツンと降り立つ自分に対し、駅前には送り迎えの光景が頻繁に見えた
とりあえず歩き出すと蔵はすぐ見えた。住宅地に平然と混ざっている

付近の庭でおじいさんが剣の稽古をしていた。剣も蔵も平然と並ぶ町、国見
公園があった。たしかガイドに載ってたやつだ。辺りに人がいないことを見計らい、一人遊具に登る


すべり台があったらすべる派
小さな公園の先には大きそうな公園が広がっていた


観月台という由緒ある公園であることが後でわかった
ねこだ

そこにねこが現れた
マップを忘れてあてがない自分は、ねこについて行くことにした




逃げるねこを追いかけるとだんだん距離が縮まり、次第に待ってくれているように見えた
もはや並んで歩く我々


鳥居のところまで来たのでお参りすることにした。ねこと別れた


ねこのおかげで来れた古峰神社。謂れが大々的にされていない小さな神社だった
お参りを済ませて振り返ると


ねこ待ってる
ガイドマップを忘れたらねこが案内してくれた。不思議な事があるものだ。それからのねこは鳥居の前から動かなかった


君はお社の遣いだったのか
国見町に満足して駅へ戻った。来た道と違う通りにも蔵が見られた


藤田から岩沼駅へ進み友人と飲んだ。この時どの店も満席で、流れ着いたのが先述の「風和里」だが、店名はこれを書くにあたり調べた。陽気なママがいる店だった
翌日は両親と蔵王キツネ村へ

入口の女性がキツネに似ていた
蔵王キツネ村はキツネが放し飼いの、スリルあるビレッジだ。スタッフより“キツネと何か起こったとしても、全て自己責任です”と強く忠告されて入村

獲物を待つ群れ

けんか

大体かわいいです
無事に楽しむことができた。これまでに一度、夏の時期も行ったことあるが、今回のようにキツネの毛がふさふさである冬のほうが良いと思った

ふわふわのキツネ

大きなメロンパン/国見 あつかしの郷 くにみ市場
キツネ村は両親の提案で行ったのだがそこは偶然、藤田(国見町)の近くで、道の駅くにみ市場へ寄ることができた。くにみ市場は宿泊施設もある大きな道の駅だった。
一度東京へ戻り、年明けに再帰省

車中、ノスタルジックな落書き“堂本剛 LOVE♡”をカウンターにして一杯(ドリンクは黒磯の政喜屋酒店で)

郡山で良いくまを見つけた。余談だが自分は街角の、大きいくまのぬいぐるみ写真を集めている
郡山で期間限定チョコままどおるを買うなどして過ごし、夕方仙台着。丸昌へ飲みに行った

メニューにワカメの唐揚げ(140番)がある
丸昌は安くて旨い行列ができる居酒屋だ。大衆酒場では仙台で一番人気と言っても過言ではない

世間で品薄のゲソ天も200円、おでん一つ50円
隣席のおじさんがウーロンハイをチェイサーに熱燗を飲んでいて、これは強者と思い観察した。おじさんは一箸ごとに手を合わせ食べ物へ祈っている。しかし自分の視線に気付いたのだろうか。祈りを中断し“次なに飲むの?”と話しかけて下さった。それで1杯頂くことになったのだが、おじさんと同じ2杯制を強いられた

コーヒー焼酎と熱燗がやってきた
おじさんは一年前から週に一度店へ通っていると言い、スタッフのことをみんな良い人たちなんだと繰り返し教えてくれた。自身の注文した料理に手も付けずに

宮城出身なのに“なんもなんも”という口癖について尋ねたら、青森弁を真似しているそうだ。お茶目
2杯も多く飲むことになったし、自分はこの日予定していた2軒目の店をやめて、今この時を楽しむことに決めた。だがそれもつかの間、おじさんは急に帰ってしまった。料理と自身が追加注文した酒を置いて
一人になってみると自分のテーブルはバイキングレストランのようになっていて、呆然としていたら反対隣のおじさんが教えてくれた。“あの人はそういう人だよ。僕もご馳走になったことあるよ。気にしないで”と

あと本当は毎日店に来ているそうだ。神秘的おじさんであった。残された料理は全て頂き、おでんは2皿食べることに。料理をかき込む間、頭の中で“なんもなんも”という残像が響いた

お寺の敷地に謎の植物がなっていた。そら豆の形でドングリの硬さで、玉虫色の産毛を生やしている。父に尋ねたら“せっけんの木に似てるけど違うなぁ”と言った


せっけん!
植物は判明しなかったものの、父の意外な知識に感心した出来事であった。
家族の車で高蔵寺から白石駅へ送ってもらい、電車で東京へ戻った

全国の駅の階段が白石駅みたいに描かれていればいいのに
これを書いている昨日、父からメッセージが届いた。
『今度山形の高畠にいぐべ。お母さんも行きたいんだど』
改めて見ると東北弁は濁点が多く、文字を打つのが面倒だろうに。ということで春の帰省はそのようになると思う。良い春が来ますように

父さんとキツネ
