きっぷ2000円 酒300円

18きっぷでぶらぶらしたり酒飲む紀行。写真が下手です

亀崎の坂めぐり

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愛知県の半田市亀崎の家々が個人宅でマイ地蔵を所有していることをサイトで知り、自分は石仏が好きなので向かうことにした。亀崎広島県尾道に例えられる、坂道が多い町だ。

 

名古屋から電車に乗り40分くらいで到着
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駅舎は日本最古の明治19年のもので、スタートからありがたいもの見た

 

改札は無人、駅を出るとすぐにマンションが並ぶ広い道路。観光案内所は見当たらなく、とりあえず目の前の道を進んでみた。さっそく坂になっているが車が多く走り、尾道らしさはない。

 

広い坂道を下ったところから昔ながらの町並みが見えてきた。そこに一軒の酒屋があり、入り口には故郷、宮城県の酒の幕が掲げられている

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銘酒、伯楽星

 

愛知県でなぜ、と思っていると店内からおばあちゃんが出てきたので会釈し、何となく立ち止まっていた訳を話すと、おばあちゃんが酒屋のおかみさんに引き合わせてくれた。

 

伯楽星は故郷で人気だけれど、これほどまで知れ渡っているのか尋ねると、酒屋庄兼さんが特にこだわりのある品揃えであり、愛知で扱っている店は唯一ここだけということだ

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雅山流・伯楽星・雪中梅・富久長など全国の日本酒・地酒の店 愛知県庄兼

感激して思わず地元の友達にラインした

 

〝愛知県内の人が他県で飲んだ伯楽星を気に入って、ここまで買いにやって来る〟と聞いたが、店のサイトにはまさに「蔵元様とお客様のパイプ役」と書かれていた

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あと、「まずは買わなくても良いので遊びに来てくれたら嬉しいです」とも書かれていた。いいんですか?

 

次におかみさんから教わった「街かどサロンかめとも」へ行き、坂めぐりマップを手に入れた。それによると駅から庄兼まで通って来た道は、10番の掘割・相生坂だったらしい

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イラストが素敵

 

マップには21もの坂が載っている。しかし自分には全てをめぐる時間がないので、サロンの方と相談して3つの坂をめぐる小周りのコースを決めた。所要は1時間くらいのつもりだったが、2時間かかることとなった。

 

ただでさえ方向音痴なのにマップの地図が簡易で、不安を抱えながら細い路地を行く。途中に標識が現れると安心した。ここからが大坂らしい
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6番を登る
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大坂を登りきり、振り返るとマップ通りの景色が見えた。猛暑の中登ってきたので海がとても清々しく見える
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大坂は町の看板だ

 

次に7番の秋葉坂を目指すが、峠の分岐点にその表示はなかった
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これは小坂か?
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辺りに道を尋ねられるような人がおらず困っていると、これまでのひしめく家々の感じではなく、小高い広場にポッカリとした家があった。降り注ぐ日差しの下、緑が茂る庭でおじさんが洗濯物を干している。

 

救世主だ。

 

「ここはどこですか」と尋ねると、おじさんは洗濯物を放って部屋へ入っていった。訳がわからず待つ間、物干し竿にフワと置かれた服が飛んで行きそうだったので、ハンガーにかけた

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知らない町の知らないおじさんの洗濯を干した思い出

 

そうしているとおじさんが地図を手にして戻ってきた。地図ならあるけど、と自分が坂めぐりマップを差し出すと、〝ここは載っていない〟と言われた。なんと、おじさんに聞かなければ延々と歩くことになったかもしれない

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半田市のマンホールは虫柄

 

ちなみにマップの中からおすすめの坂も聞いてみた。〝この町に住んでいたら坂なんて当たり前で…〟と言うが、しいて選んでもらうと弘法坂。かめともサロンでもすすめられた、自分のコースに含まれる坂だったf:id:sinomiy:20181020194811j:image

かめとも

 

しかしマップに載らない、おじさんの家の近くの、海を広く見渡せる坂もずいぶん素敵であった(先述の写真)。

 

おかげで秋葉坂に着くことができた

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7番、秋葉坂。坂にショートカット用の階段が付いている
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坂を下ったところに、秋葉坂の解説にある[学]印の鬼瓦の商店が見えた
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魚牧さん。通称お牧さん

 

ちょうど飲み物が欲しかったので入った。せっかくなので店の主人へ[学]とは何かを聞いてみると、ここは元学校だというf:id:sinomiy:20181017004444j:image

たしか明治時代の亀崎小学校の校舎で、半分は壊したとか…今度ちゃんとメモ持って聞きに行きたい

 

魚屋が元学校である。売り場の奥に井戸があり、そこは元用務員室だったそうだ。貴重なものを見せてもらった

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現在は魚の調理場

 

お牧さんへもおすすめの坂を尋ねてみると、ポッカリの家のおじさんと同じく、坂は日常なので特別良いと思わないようだが、弘法坂が選ばれた。広げた坂めぐりマップはこの頃にはもう、自分の汗でクシャクシャになっていた

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街かどではテーブル化された井戸を見た

 

井戸についてサイトより:散策すれば、鋳物ポンプの井戸、トタン屋根の井戸、土間の奥の井戸、空き地に残る井戸、お地蔵様のある井戸……遠い記憶を呼び起こす。

古井戸(ふるいど) | 亀崎の名所・史跡 | 亀崎潮干祭

 

そうだ、お地蔵様である。

今これを書きながら忘れそうになっていたが、当日も坂めぐりに精一杯のため忘れていた。お牧さんを後にしてから現れたお地蔵様により思い出し、今回2体に会うことができたが、マイ地蔵だけあって手入れが行き届いていた

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町には十数体がいるらしい。もし全地蔵を探していたら、単純に考えて旅のボリュームが5倍になっていただろう

 

お牧さんで次の道順を確認して来たけれど、また迷っていた。砂漠で水を求めるが如く「坂を…坂をくれ…」と歩いた

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やっと着いた。ここがみんなのおすすめ弘法坂

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8番、弘法坂は坂めぐりマップの表紙だ

 

茂る木の葉に隠れているが、坂の上には東光寺が建っている。自分は道に迷いすぎて時間がなく、特に見学をしなかったけれど、あとで確認すると45体もの弘法大師像が祀られていているそうだ

chuplus.jp

涼しい頃にまた行こう

 

目的の3つの坂をめぐり終えて駅へ戻った。電車が来る時間まで少し余裕があったので、駅前の売店でサンドイッチを買うことにしたf:id:sinomiy:20181018142034j:image

はんぺんフライサンド。自分は手作りサンドイッチが好きだ

 

その売店は駅によくあるチェーンではなく、海の家の外観をしており、窓口のおじさんにもどことなくバケーション感があった
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「牛タン」人気No.1☆

 

世間話をしているとフードメニューに故郷の名物、牛タンがあることに気が付いた。聞けば、ある時に食べたら美味しかったので仙台から仕入れることにしたそうだ。伯楽星に続き、故郷と亀崎の繋がりに出合えたf:id:sinomiy:20181019004957j:image

こちらは秋葉神社

 

最後に売店のおじさんへ、良い町でしたと告げると、〝住めばいいじゃん〟と言われて一瞬、お嫁においで、ということかと思った。


海を眺め洗濯を干すのは気持ち良かったし、故郷の酒があり、幸いに坂を登る体力は十分だ。悪くないかもしれない。

 

というのは冗談だけれど、亀崎は魅力的な町でした

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はんぺんフライサンドを最古の駅で食べる喜び