当方、名を宮西と申す。それでシンパシーを感じ、三河三谷(みかわみや)駅で降りてみた
○みや歓迎○
ミヤと付く地名などたくさんあるし漢字も違うけれど、三河のミヤは行きたいと思ったのだ。駅へ降り立つとさっそく歓迎してもらえた。
町へ出たらミヤを冠とした看板に嬉しくなった。
ミヤスポーツだ!屋根がかっこいい
ミヤ電気だ!
ミヤ漁港だ!
三河三谷は愛知県蒲郡市に位置する。大きい観光・商業施設が多い隣の蒲郡(駅)に対して三河三谷は、歴史ある温泉と商店街が残る落ち着いた町だった
路地裏
町並みを先に述べたが、駅の地図を見てひとまずの目的地をスーパーに決めて進んだ
地図の中に記されていた「ドミー」を調べたらスーパーで、ポップな響きが気に入った
ごく普通の駅前の様子から、突飛なことが起こるなど予期せずに歩き始めるとすぐに黄色い看板が目に飛び込んできた。「ザ!りがに道楽」
注意喚起の色
薄暗くて室内の様子はわからないけれど、白いランニングシャツのおじさんがチラチラ見える。ザリガニ取りの趣味が高じて展示しちゃったのだろうか。一歩引いて観察していたら招き入れられた。
〝よかったら見てよ〟という具合いに、入ってみると小さな水槽がたくさんあった
こんな写真しか撮ってないけど水槽ギッチリあった
ザリガニの説明をするおじさん。繁殖させてネットで売って全国に発送して最近の人気の色はこれで天然のうなぎもやっていて……
前職のカツ丼屋は元々続けるつもりはなくて転職して、今はそのへんの川で取った水草とかが売れる。お金が勝手に入ってくる……
ザリガニ実店舗は現在国内に2〜3店しかないらしい。会話の端々に偉人感が漂うので、もしや本など出してるの?先生とか?と尋ねると、おじさんは〝先生じゃないけど弟子ならいるよ〟と答えた。
おじさんは師匠であった
「ザリガニ掲示板」がブログのようになっていて面白い
そして弟子は、あの竹島水族館の館長だった
インターネットには館長のインタビュー記事がたくさんある
かつて竹島水族館で働きたいと言った弟子へ師匠が大学進学を勧め、卒業後は本当に働くことになったし、今や有名館長だ。感動秘話であった。
師匠は通りがかりの自分へ30分もお話してくれた
ありがとうございました
なお竹島水族館は自分も行ったことがある。その時の記事:蒲郡 竹島水族館 - きっぷ2000円 酒300円〝好きなタイプあむろなみえの〟方が弟子だったとは。
再びスーパーを目指して歩いたら、すぐに足を止めることとなった
手づくりサンドイッチ
この「音羽家」はパン屋ではなく食品雑貨が並ぶ商店だった。売場の奥に飲食スペースが設けられていたので利用したら、ポットの冷えたお茶がサービスで、頭上のテレビからは24時間テレビが流れていた。日本の夏休みである
うねるチキンカツ。自分は手づくりサンドイッチが好きだ
ふとおでんコーナーに目をやると「関東煮」と書かれていた。愛知のおでんなら味噌味か、三河三谷は静岡県に近いので静岡味も考えられたが「関東」。気になったので店主に聞くと、味噌は食べるときに付けるそうだ。何気なくも新鮮に思うミヤのおでん事情であった
店の壁面に関東煮の大きな看板があった
車が行き交う道路沿いを行くと海が見えた。このミヤ漁港は駅から10分の距離にあって、徒歩のちょい旅で海の風景が見えるとはありがたいことだ
マリーナのボートが並ぶ景色や釣人に夏を感じた
目的のスーパーがマリーナの先に見えた
スーパーと、山の上に何かが見える。ミヤ大仏だろうか
「ドミー三谷店」到着
山の上に望める大仏様は子安弘法大師(19m)だった
ドミーは愛知県三河地方を中心に展開していて大正2年の創業らしい。ちなみにイトーヨーカドーは大正9年らしい
この三河地区には醸造業など、伝統的で優れた食品が多くあるため、老舗メーカーとの共同開発などにより、郷土色のある新商品をご紹介していきたいと考えています。愛知県三河地域で事業展開するスーパーマーケットチェーンドミー | 三河を中心に37店舗を展開する地域密着型スーパーマーケットです
ドミーで見たぼてこ焼そばとは何だろうと、後で調べると「ぼてこ」は安城市発祥のお好み焼きチェーン店で、先代は大阪の「ぼてぢゅう」で修行をしたそうだ
ぼてぢゅうの流れを汲む味が298円の半額で。旅の都合上買えなかったことが残念だ
ドミーで折り返し駅へ、違う道を通って戻る。
古い商店街の建物がアパートか学校に見えた。現在は空き家が多そうだ
ミヤ電気はこの商店街にあった。昔はミヤと付く店がもっとあったのだろうか
レトロな外観が可愛いすずらん美容室
近くにリニューアルしたらしいすずらんがあった。家族が継いだのだろうか
ザ!りがに道楽まで戻った。師匠の話を聞いていた時に隣の肉屋はひっきりなしに客が来るなぁと気になっていたので、何か買って帰ることにした
師匠にただいまの挨拶をした
揚げ物をいくつか購入した。店内にはウド鈴木の番組の色紙が貼られていたので、この辺りの名物店なんだなぁと思った。
ミヤの散歩も終わりである。いよいよ駅に近付いた。その時、駅前の酒屋のウィンドウ越しにおじさんたちがカップ酒を飲んでいる姿が目に入った。
今ここに角打ちとは運命でしかない。旅のハイテンションで少しも恐れず突撃した。〝ここで飲めるんですかっ!?〟
我ながら目ざとい
店内のおじさんたちは明らかに戸惑っていた。〝飲めるけど…〟。モゴモゴした返事だった。理由は角打ちでなく、店主の仲間内の飲み会だったからだ
飲めるなら飲ませてもらおう
店主の仲間の輪に混ぜてもらった。肉屋で買ったメンチも遠慮なく一人で食べた。食べ時が来たのである。
今まさにメンチがテレビに映ったから
今食べるしかない、カンパイ!
おじさんたちがそろそろだなと言い出し、チャンネルを合わせるとミヤを舞台とした「ウドちゃんの旅してゴメン」が始まった。さっき行った肉屋が、おばちゃんが、ウドちゃんが、テレビに映ったのである。
地元のみなさんとテレビを囲んで飲み食いした。番組へのリアルな感想が飛び交う。そうしているうちに肉屋のお兄さんが我らの現場へ顔を出した。何という臨場感だ
真夏の三河湾クルージング 愛知・蒲郡市:2018年8月25日(土) | これまでの旅 | ウドちゃんの旅してゴメン - 名古屋テレビ 【メ~テレ】
メンチカツはその場にいたおじさんもおすすめと言っていた。
テレビを見た後は、自分が町を歩いた話を聞いてもらった。ミヤの人たちは皆やさしかった
ザリガニ師匠に会い、音羽家のコーラのグラスで茶をがぶ飲みし、潮風に吹かれ、ドミーを回ってみんなでテレビを見て、ミヤの夏を満喫した私でした。