きっぷ2000円 酒300円

18きっぷでぶらぶらしたり酒を飲んでいます。恥を書いて昇華する。

大分記1、熊野磨崖仏

 


 

大分県へ磨崖仏を見に行った

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磨崖仏とは自然の岩壁に彫られた仏像のことだ

 

日本の磨崖仏のメッカ、大分へいつか行きたいと思っていたけれど、住まいの東京からキップ2000円では行けなかった。がしかしこの度、GoToキャンペーンで叶えてきました

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お安い!往復航空券と2泊で16800円

 

羽田から飛行機に乗った。知らなかったけれど羽の横の席はずっと羽の景色で、とても乗ってる実感がした

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慣れない機内では、手洗いのタイミングやシートベルトの付け外しにもたついた

 

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到着

 

はるばるやってきた大分。着いたら思い切り空気を吸いたかったが、マスクが邪魔をした

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大分空港にはかぼす足湯やかぼすタワーが飾られていて、かぼすの香りがしたかもしれないけれどマスクのせいか分からず

 

余韻に浸る間はなく、すぐにバスへ乗り込んだ。これを逃したら次のバスは3時間後なのだ

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初めの旅費は安かったけれどバス代けっこうかかるな

 

国東半島の熊野磨崖仏へ向かう。旅行を決めた当初は大分交通の国東半島史跡巡りツアーを利用するつもりだったが、コロナ渦で中止。自力で向かう

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ツアーなら宿の近くから乗ることができて、帰りは空港まで送ってもらえて、磨崖仏以外も巡れるはずだった

 

大分交通へ電話で聞いたところ、中山香駅からタクシーで行くのがよいと教わった。これから空港バス、JR、タクシーと乗り継いで行く

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53分待ちとかある…タクシーおいくらだろう…


バスの車窓は見事な山里の風景が続き、小さな橋がいくつか見えた。パンフレットで見た“宇佐の石橋巡り”も行きたかったのだが、これも移動が困難だから諦めていて、橋、見れてラッキー

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バスには5人くらい乗っていた。途中で降りた若い男子とバス停で待っていた女子が抱擁をするザ・再会シーンも見えた

 

約1時間バスに乗り宇佐駅に到着。乗り継ぎの電車を53分待つ間に喫茶店へ入った

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バス停隣のポップな「プシケ」と迷って「蓮華」にした

 

ゲームのテーブルなど趣きある店だった。自分は喫茶店に詳しくなく、メニュー表のコーヒー紅茶に並ぶ“スピリット”というものが気になって注文したら、温かい紅茶にウイスキーが入ったものだった

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砂糖をかじりながら飲んでみた

 

実は大分名物豊後汁(だんご汁)を食べたかったけれど、プシケか蓮華か、選ぶのに20分費やしたおかげで間に合わなくなったのだ。蓮華の豊後汁は注文後に出汁から取って作るらしい。店のママに“また食べに来て”と言われたことが切ない

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スナックのような哀愁が良い店だった

 

次は日豊本線で3駅先の中山香へ向かう。電車に乗る前に駅員へ、中山香駅にタクシーは常駐しているかどうかを尋ねると、そうだと答えられて安心した

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中山香から熊野磨崖仏はタクシーで5分。あと少しだ

 

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宇佐と言えば兼八、道中…

 

まだ酔っていない

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かっこいい車両

 

大分の立石だ

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そうして中山香に到着

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駅前

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タクシーおらず

 

駅前にタクシーはいなかった。しかしタクシー5分で往復すると帰りの電車時刻と合わないために、片道1時間を歩くことも元々考えていたのだ

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タクシーは帰りに使うことにして歩き始めた。もしかしたら駅へ戻ってくるタクシーを拾えるかもしれないし、節約になるからいいやと

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1時間の散歩くらいイケると考えていた

 

マンホールを楽しんだり余裕でいた

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有名な豊後牛の中でも「やまが牛」と呼ばれる肉が特産らしい

 

スマホのナビに従い、駅前の細い通りから車通りの多い国道に出て、川を渡りあぜ道を通り、農村のようなところを歩いた。自分は日頃から道に迷いやすく、行ったり来たりしながら進んだ。

 

そして完全なる山に来た

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目の前は闇

 

怖い。“途中でタクシー”どころではない。ナビは近道を指しているはずだが、地図を読むことも苦手だし、実際に合っているのか分からなくなってきた

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このマルとそのマルは何だっけ

 

誰かに確認せねばと家々の建つところまで戻った。

あるお宅の庭におじいさんが見え、見えたと言っても近付くにはけっこう奥まで入り込んで声をかけた。熊野磨崖仏はこの道で合っていますか、と。

 

道は合っていた。だがあと1時間くらい歩くとのことで、嬉しくなかった。自分はずいぶん不安な顔を漏らしていたと思う。おじいさんは途中まで送ると言ってくれた

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おじいさん、神(https://www.gyb.co.jp/19b/APUNOT.htmlより画像)

 

神仏の地、国東で神に会った。神々しいシルバーマークの軽トラックは発車するとすぐに深い森に入り、山のふちをガタガタと登った

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中学の時に模擬試験に遅刻しそうになって、長らく運転していなかったおじいちゃんに急きょ運転させたことを思い出した

 

道は車一台がぎりぎり走れる幅だが、昔は主道で観光バスが走ったらしい。すれ違う車や人はなく、イノシシが出るそうだ。一人じゃなくて本当に良かった。おじいさんは途中までの予定だったが、横浜に孫がいるなど話をしながら現地まで送ってくれた

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帰りも(おじいさんの家を)通ったら駅まで乗せるよ、と言ってもらえた

 

正直、ここまでがハイライトとなった。熊野磨崖仏の情報はたくさん見聞きしていたし、おじいさん以上の感銘とはならなかった

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普通は車で来てここから険しい石段を登った先に見る大きな磨崖仏に熱く感動するもの

 

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これが鬼が一夜にして積み上げたという伝説の石段か〜。情報を確認して歩く

 

石段をヒィヒィ登ってふと見上げると、開けたところに日本一雄大荘厳な国指定史跡重要文化財、熊野磨崖仏がおわします

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確かにおわしました

 

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鉄みたいなミミズ

 

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苔がきれいだった

 

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このへんのことは知らなかった。パワーを感じた

 

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ふもとの胎蔵寺には干支などの像に願い事シールを貼るアトラクションがある

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待ち受けにした

 

帰り、熊野磨崖仏駐車場にタクシーはいなかった。参拝受付へ尋ねるとタクシー会社の電話番号を教えられた

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有名観光地の日曜だからいると思ってたら

 

電話をかけると日曜は休みと言われてしまい、受付おばちゃんへ伝えた。おばちゃんは“そんなはずない”と電話をかけ直し、確かに休みと分かると他のタクシーへ問い合わせ、そちらはやっていると教えてくれた

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また面倒なことになってきたぞ

 

他のタクシーだと料金はどうなるのか。おばちゃんに聞くとまた電話をしてくれて、運賃はいつものタクシーの2倍以上になるそうだ。

このとき14時。どうせ次の電車は15時49分なので歩いて戻ることにした

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幾人かの受付をこなしながら電話してくれたおばちゃん。“じゃあ駅まで40分くらいだから”と送り出してくれたけれどナビだと1時間以上

 

おじいさんと登ってきた山道はイノシシが出るし、車通りが多い道を選んで行った。あわよくば先ほどの受付で会った幾人かの誰かに乗せてもらいたい

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だがそんなことは起こらなかった

 

信仰心が絶対的に足りない罰だと思った。ただの広い道を延々と歩いた

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おじいさんの家は通らない道

 

しばらく行くと「さかな」のような文字が浮いていた

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さかなだ

 

さかなが表していたのは農産物直売所だった

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1時間近く歩いてたどり着いたここは竜宮城の心地

 

レジのお姉さんから、駅まであと15分と聞いて安心した。交通が不便でごめんなさいねと言われた

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お客のおばちゃんが50円とかの野菜苗を高い高いとつぶやいているのでいつもはいくらなんですかと尋ねたら、10円だそうだ

 

町が見えたぞ!

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タクシーは乗らず、節約は達成した

 

中山香駅から宿泊地、大分へ向かった

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電車時刻まで余裕があったのでスーパーでご当地パンを見て手洗いへ寄ったら、ハンドソープが服に飛んだ。洗い流すのに時間がかかり、最後は駅まで走ることとなった

 

大分記2へ続く