
場末風情がたまらない町だった
上福岡という町を知ったのは4年前、うどんスタンプラリーのために訪れた時だった。一帯に広がるひなびた酒場にわくわくした。そこで特に気になる立ち飲み屋があってつい先日行ってきたのだが、こんなにとがった町だったとは…
上福岡は池袋からだと東武東上線で川越の手前

店は駅から徒歩1分、写真中央の鋭角な建物だ

このとがりに入ってみたいと思った
実は店には一度行ったことがあるのだが、記憶がおぼろなのだ。当時の写真が見つからず、たしか店内は外観通り鋭角。カウンターはV字だっただろうか、都合によりゆっくり過ごせず色々食べることができなかった

うどんの写真は残っていた
今再び確かめたい。名も忘れていたが店には「山ちゃんやきとり」と書かれていた

正面?
しかし意を決して約2年ぶりに訪れたものの(家から少し遠い)シャッターは開かれなかった。なおイラストはこの八雲通りあちこちに描かれているもの。
たしか90度くらいのところに扉があって、手洗いかしらと思った記憶。ゴーヤなど色々な野菜串が美味しそうだった

今思えばゴーヤのトゲトゲにも導かれていたのかも
山ちゃんを確かめる旅は一旦終わりとする。またうどんがてら訪ねてみたい

今回もうどんは食べた
スタンプラリーで知ったうどん「條辺」はなかなか行くことができないけれど、今や最も好きなうどん屋となっている


うどん巡りは関東でも十分楽しめる
※上福岡スナップ

駅を出たらちょうど町オリジナルバスがやって来た
田舎料理とエッグタルトと中華の看板と


通りの奥に「羽鳥貴美子歌謡教室」
今回とがった立ち飲み屋の他にもう一つ確かめたいことがあって、「サンフレンド」というサンドイッチ屋が、東京都北区十条辺りの「サンウェイ」と似ている件だ

上福岡サンフレンド。サンドイッチとはまた鋭角な
4年前、店を通った時に十条かと錯覚したのだ。以前よく通っていたサンウェイと、名前の響きとカウンターの奥さんとサンドイッチの佇まいが同じだと思った

これは十条サンウェイ。カツサンドの甘辛ソースが好きだった
サンフレンドのお客が途切れるのを待ち、奥さんへ東京の店との関わりを尋ねると、唐突な質問にご主人もやって来て話してくれたが、答えは“全然関係ない”だった

まさかそうだよネ‥聞けてすっきりした。サンフレンドのカツサンドはスプレッド使いがリッチ
カツサンドを食べるために座ったベンチ向かいの和菓子「十勝」アウトレットは、上福岡で見逃せないスポットだ

どら焼き皮の袋詰めを取り置きして買った
アウトレットがあるショッピングセンター内のヤオコーで買った地元の生きくらげが美味しかった

深谷ねぎのがんもも美味しかった
ヤオコー近くのドラックストア


とがってる
とがっていたりこの町を歩いていると、やけにかどが主張してくると感じた。これは少し面取って広告欄にしたパターン


かどに看板を掲げる居酒屋、「大」と書いてビッグ

2かどにわたる「力」(RIKI)

車がいて入れなかったけれど、力に挟まれた通りは威圧
お食事処「大番」は、かどに多くのメッセージが貼られている


〜おすすめですよラーメン定食
〜ピリからもやし炒め他おつまみいろいろありますよ
〜他店内いろいろありますよ
駐車場になっているかど

「岸川様」「あの店様」と札が付いている
「戸沢総合インテリア」はかどが出入り口で、道路に面した窓辺は“ギャラリー街かど”

ポスターと人形が飾られている
この町のかど使いは何なのか。上福岡歴史民俗資料館に行ってみた


日本一大きな手作りほうきがとがりすぎて写真に入らない(3m4cm)
“ケースにお手をふれないご見学に感謝します”。トイレをきれいにのやつだ


機織り部が活動していて、大先生と呼ばれる方のお話を聞いた
かどについての展示はなかったが、「つのや」という地元の建築の資料を見つけて買うことにした。これはヒントになるかもしれない


平成18年度企画展の図録
資料によると、つのやとは母屋から直角に出た部屋を持つ家の事を言い、その部屋の部分を「つの」と呼ぶそうだ

一般的には曲り屋、平安時代は放出(はなちで)と呼ばれた。個人的には、はなちでを使いたい
四角い家よりつのやのほうがかどが一つ多い。これは上福岡の町並みに関係あるのか?

現在埼玉県につのやは残っておらず、江戸時代、川越街道に沿った各々長方形の敷地に多く建っていたらしい
駅周辺の長方形でない鋭角な敷地は、単純に川の跡ということか…

つのやのいい本を見つけたと思ったが関係ないとはシクジッタかも

自分には難しい資料だったので解釈が誤っていたら申し訳ありません。方言のページが面白かった
しかしこの地域のつのやは商家に多く用いられたそうだ。間口は狭く、店のウィンドウ的な部分を街道いっぱいに取り、住まいは後ろのほう(後づの)としていたらしい。このスタイルが現在も受け継がれているのではないだろうか

茶の間で酒を売っていたという島田勲氏宅
馬を多く飼うことを目的としている岩手県の典型的曲り家は前づのだという


上福岡のかどの活用は、江戸時代から続く商いの知恵の表れであり、つのやが多くあったおかげで民衆はかどに慣れ親み、今もみんなかどが好きなのだ
公園のカクカクした倉庫

トゲトゲがついたすべり台は多角形

上福岡の“フク”の字を図案化した、ふじみの市となる前の上福岡市章

上福岡は最高にとがっていた