きっぷ2000円 酒300円

18きっぷでぶらぶらしたり酒を飲んでいます。恥を書いて昇華する。

高島ちぢみ買って飲んで帰る

 

東京から大阪へ飲みに行った帰りに高島ちぢみという布を買ったりした件を綴ります

京都の宿の中国のお好み焼き屋に泣いた - きっぷ2000円 酒300円

これが新世界。大阪の酒場巡り - きっぷ2000円 酒300円

これまでの話はこちら

 

自分は滋賀県高島市で生産される高島ちぢみが好きだ。都内のある店で初めて T シャツを買ってから着心地を気に入り、しかしその店が閉店してからは量販店の寝具売り場でしか高島ちぢみを見ることはなってしまった。パジャマ以外の品は、もう現地に行くしかないのである

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夏涼しく冷房下でも冷え過ぎない優れもの

 

今回は大阪と京都に用があって来たけれど行くチャンスだ。京都から湖西線高島市へ向かう

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車窓がずうっと琵琶湖。さすが日本一の湖だ

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あいにくの天気で景色がどこまでも灰色。代わり映えしないから昨夜の宿のことを思い出してみよう。昨夜は京都の、ザ ロウワーイーストナインホステルに泊まった

 

 

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LE9: THE LOWER EAST NINE HOSTEL | 京都駅南のホステル&カフェ

 

アパートタイプ、ゲストハウス定番の二段ベッド様式。いつもは女性部屋のところ、珍しく男女混合ドミトリーに泊まった

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一部屋12客のうち男性が多かったのか、なんとなく部室のような香りがした(嫌じゃないくらいの)

 

ベッドの間仕切りを開けたらちょうど外国人男性がいて、上段から降りようとした自分へ手を差し伸べてくれた。お姫様体験をした

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しかし日本人 中年女は戸惑って手を取れなかったのであった

 

ここは滋賀県新旭駅

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高島市に着いた

 

高島ちぢみの品揃えが良いとされる観光物産プラザは駅前にあり、18きっぷ旅にありがたい

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この施設は、たかしま・まるごと百貨店、(公社)びわ湖高島観光協会、新旭公民館、新旭図書室、レストラン「MIZU café Cocco」、高島地域雇用創造協議会、新旭土地改良区が同居する複合施設です。高島市観光物産プラザ | 高島市

 

施設は公民館らしいたたずまいで、この日はエントランスで市民のバザーが開かれていた

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百貨店フロアへいざ。おそらく日本一の高島ちぢみ取り扱いショップだ

 

店内には食品や工芸品が並んでいた

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ビワイチ発酵ゼリーにはフナ寿司飯が入っている


そして待望の高島ちぢみコーナーへと

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これ欲しい!《高島ちぢみ®》の堂々たる横断幕

 

本場生産の地では、寝具の他にストールやアームカバーの夏グッズと反物が豊富に見られた。布の直売所だ。

 

ちぢみとはシボと呼ばれる凹凸があって、汗をかいても肌にはりつきにくく涼しいのだが、一般的に麻のため高価。それが高島ちぢみは主に綿で織られ価格は抑えめ、麻ほどではないけれど涼しくふんわり温かみもある愛しい織物だ

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カジュアルウエアもあった。このアウターは素肌でもイケるはずだ

 

様々なアイテムの中から現地ならではであろうはぎれを選び、ホクホク気分で会計。市の職員らしき店員から年に一度、サマーフェアというお得な催しがあると聞いて是非行こうと思った

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このはぎれフカフカしてるの。首か枕に巻いて使おう

 

ビワイチ発酵ゼリーはヨーグルトみたいな味で美味しかった。滋賀名産の丁字麩は近くのスーパーで購入。スーパーの一角にお年寄りが集っていて、これから餅つきがあるよと教えてくれたけれど参加せず、あと少しの時間で駅の反対側を見てみることに

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反対側の流鏑馬祭りの像

 

寺が見えたので寄ると、五輪塔ゾーンがあった

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何か特別な雰囲気

 

本堂の方へまわると寺は阿弥陀寺と言い、やはり特色として五輪塔と、江戸時代の六面石幢が珍しいことが記されていた

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先程の五輪塔の中のどれかが六面石幢なんだろうか…

 

考えていたらちょうど町人が現れたので聞いた

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あっ待って

 

町人はゾーン左手の大きい塔がそれで、鎌倉時代のものだと言った。しかし案内板には江戸時代と書かれていたのであとでインターネットで確認すると、六面石幢は別のところにあった。教わった塔は宝塔だったが鎌倉時代というのは本当。貴重なもの紹介してもらった

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これは宝篋印塔。塔の種類むつかしいね

 

町人は他に戦争の慰霊碑の解説もしてくれて、自身は93歳でひまごが4人いることも教えてくれた。93で自転車でやって来たのですごいと思った。

 

滞在1時間半。高島ちぢみを買い、町人ともふれあえた新旭であった

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駅のベンチのぬくもり

 

帰路を行く

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JR西日本の広告がかわいい

 

琵琶湖の東側の車窓には湖は大体見えず、六面石幢のことなどうつろに考えたf:id:sinomiy:20200202125558j:plain

六面石幢とは六面ある石柱に仏像が彫られていて屋根は1つらしいんだけど、根津神社(文京区)には別々の6基を合わせたものがあったなあ

 

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旅路はJR東海地区に入り豊川稲荷駅で降りた

 

豊川稲荷門前にある好きな角打ち「丸八酒店」へ行った。テレビから競艇の中継が流れ、おじさんたちがヤカンで酒を飲む情緒ある店だ。

 

丸八酒店のことは名古屋大曽根の酒場で会った方に教わったのだが、まさか東京から度々訪れているとは思っているまい。酒場への執念には自分でも呆れる

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むかご

 

しかし、“旅人のお姉さんだ!”と地元客から迎えられ、おつまみをもらったりするとやめられないのである

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『今日は京都から琵琶湖をまわってきましたアハハハハ』

 

“酒が飲めると色んな人と話せていいね”と、地元おじさんと言い合った

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そういえば昨夜の宿の冷蔵庫にパック酒が見えて、持ち主と語りたいと思った

 

丸八酒店で聞いた言葉が切実だったので記しておく

うちのおっかあ、よう逃げてかんなあと思う

普通だったら逃げるだ

毎晩飲み歩いてよぉ

俺ぁ幸せだよ

 

この後とどめに浜松の立ち飲み屋も寄った。またご馳走になった

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旅で出会った皆さんと家の夫、ありがとうございました

 

 

 

1月まとめ〜高い歯医者に通っていた

 

1月の酒場を振り返る

 

冬の風物詩、新橋大友の白子がお花畑みたい

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蒲田八重瀬は七草粥とコーヒー酎で朝食の雰囲気。ママがカラオケ1日3曲健康法を始めた

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【翌日の道端で会った八重瀬友のオカチャンから、自分が通う歯医者は治療費高いとの指摘を受ける】

 

蒲田信濃路のコーヒー割は甘かった。オムレツと合わせたら朝食ぽい

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【地元民に尋ねるとあの歯医者高いよね、と周知の評判】

 

ティータイムに十条勝でアップルパイと月桂冠。“両親が仲いい秘訣は父親が謝ること”と聞こえてきた

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月桂冠200円 トマトジュース200円 黒烏龍茶250円

 

大井町しげちゃん、隣席の夫婦がもつ煮を薦めてくれたにも関わらずオムレツを注文。ぜひ食べて、と帰りがけにもつ一口貰ったらびっくりするくらい美味しかった

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酒は白波

 

赤羽喜多屋、ご常連曰く串を焼き始める時間は店主の気まぐれで、何人もの新規客が“串はまだ”と断わられていた。ナポリタンは土日限定、焼酎お湯割りは冬季限定

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カウンターに積まれるロールパンが気になった

 

上野たきおかのもつ煮の味は喜多屋に近い。肉じゃがも食べたい_φ(・_・

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上野カドクラも似てるんだな

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女性ばかりのカウンターに通され珍しいシチュエーション。装飾を褒め合ったり青春時代のジャニーズで年齢を探り合った

 

なんだかんだで赤羽いこいのもつ煮が基本なのだろうか。フィリピン人の妻が別れたがっている話を聞いた

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小岩さくらの大皿のそれはもつ煮でも肉じゃがでもない「豚ペーニョ」

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稲毛の日高で立ち飲み。表のメニューに「イワシフライ千葉県産」と書かれていて思わず入店

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ハッピーアワーハイボール大90円に釣られた某店だが割と高いなと…たまにセンベロ系でない店に入ると世間とのズレを認識する

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新橋串カツ田中これ全部で275円

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大井町晩杯屋の高額メニュー、カキ酢250円ネギトロ200円

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大森富士川のお湯割りジョッキはサービスタイム150円。鶏皮黒酢煮が大好き

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茅場町魚平は大ビン410円

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大井町いいかげんの通称タナジイが1杯くださると言ったが30円足りなくて切なかった

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蒲田たの平でいいかげんのお客に遭遇した

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貝が好き

 

蒲田の新店じぇんとるまんとビーフキッチンスタンド

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たの平もそうだけど新店は室温低いような。若者向けだろうか

 

五反田某店、隣り合った女子へ自身のおすすめ串をご馳走しているおじさんがいて、女子が帰ったあと新たに私にも注文して下さった。さっきも食べてましたよね?と聞いたら“あいつ食いやがって”的に言われ若干恐怖だったが串は美味しく頂きました

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蒲田のんきやのもつ煮が赤みそだったので聞いたら、主人は名古屋“のんき屋”で修行とのこと。ここでは甘さ控えめ関東風に作られている

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誰かの帽子を貰った

 

名古屋おでんの蒲田大黒で名古屋のんき屋の話をしたかったがスタッフは北海道出身だった

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という話をのんきやへ持ち帰ったら、“北海道のキャバクラ行っても北海道の女の子じゃない時あるもんね”と言われた

 

蒲田勘蔵、お客の土産の大トロが脂のジュース

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【皆へ蒲田の歯医者を尋ねると評判の医院の名がわんさか上がった】

 

蒲田阪口酒店で1月も半ばにお雑煮貰えて嬉しい。東京の本当の家庭の味。「日本アスパラガス株式会社」製造の缶酎ハイがあった

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京急蒲田側の住人は京急側の歯医者へ行くそうだ】

 

蒲田ドラム缶できりたんぽ鍋とじゅんさい。きりたんぽは雑煮とせんべい汁の間と思う

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【そういえば予約が取りやすすぎると案じていたが、それもいいじゃん、何を重視するかじゃん、となだめられた。そうだ自分は主治医のことは信頼している。ごめん○○歯科(終)】

 

大井町立ち飲み処、こんにゃくとスジがなくてがんもにしたら、おわびにつみれサービス。背景が部屋ぽい

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蒲田うなぎ家の仙台出身マスターのおでんは関東屋台風

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小山いごっそのいもフライと安田の焼きそば

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私的付き合いの安田。振る舞いすき焼き(晩ごはん)に甘えてはいけないと手を付けなかったことを激しく後悔している。焼きそばはお土産に持たせてくれたもの

 

浦和ひとりあじの和風パスタは200円で大盛

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これも頂きもの。北関東の麺文化か

 

日本橋ふくしま館のセットの中で、今日は金水晶が好きかなーって飲んでたら隣のおじさんはほまれ酒造の方だった

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新橋、日本の酒情報館でみりんセット。甘い

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新橋おさけ村で積善の超辛口

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人形町加島屋、いつもお茶割り一杯のつもりで寄るが終われない

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田町まるちょうが現経営者での営業を終えた

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浜松ドラム缶に新しく女子スタッフが加わった。マッチョでたのもしい

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世間の移り変わりにふれた今月、自分未だ無職

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昼から北千住デリコッペでビストロビーフコロッケとゴボウ竜田揚げと樽生ハイボール

 

ゴボウがすごくジューシーだった

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天気の良い日でした

 

これが新世界。大阪の酒場巡り

 

酒を飲むだけのために遠征していいのだろうか。

酒まつりや蔵見学ではない。ただ大阪情緒のもとで飲んだくれたいのだ。できれば切符一枚あるなら大人らしく知的に使いたいものだが。…そう半年以上葛藤してきたがこの度ついに理性が負けて出かけることにした。

 

ちょっと大阪まで飲みに行ってきます

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都内朝6時の鈍行列車に乗り、買い食いしながら向かう。2泊3日ただ欲に任せて飲み食いする旅が始まった

 

9時頃、静岡

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おでん「まるしま」。赤飯はテイクアウトして時間が空いたときに食べた

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朝日を浴びる赤飯

 

静岡から2駅、用宗「神尾きんつば

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名物のきんつばを食べたいところ、代わりにボリュームあるじゃがいもおでんを選んだ。前回訪れた時にいも10個くらい買うお客を見て自分も食べてみたかったのだ f:id:sinomiy:20200114151446j:plain

味噌だれがみたらしくらい甘いのはきんつば屋だからだろうか。これが美味しくて、今後みたらしは団子でなくおでんにかけたいと思った

 

撮らずにはいられない富士山

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浜名湖競艇の入口にある居酒屋「かちどき」へ行ったら休みで引き返した。閑散とした駅につがいのハトがいて、通りすがりのおじさんが“イチャイチャしやがって”と呟いていった

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安城惣菜屋「玉木屋」では味噌系の品を買い込んだ。自分は愛知の味噌も好きだ

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店内で写真を撮らせてもらっていると、“そんな茶色いのばかりでいいの?”と言われた

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茶色いほどいいんです。こんにゃくカツ串がヘルシーと思われたが、あまりの大きさに油と味噌の甘さがガツンと来た

 

大垣で乗り換えの待ち時間が発生するも、もう食べれない。ここは土産用に“つけてみそかけてみそ”少量パックを探すことにしたが見付からず。時刻は14時。大垣から大阪は真っ直ぐ向かい腹を休めた。

 

夕暮れ。

ヤッター大阪ついた。酒場巡り1軒目は京橋「七津屋」だ

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以前“アジフライをおでん出汁で”と注文するお客を見てからずっと試してみたかった。うん旨い。それを叶えたのも束の間、“角煮を出汁で”という声が聞こえて次回の課題にすることにした

 

2軒目「京屋本店」は食堂の雰囲気で、メニューが絞れず多めの注文となった

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土手焼きとレバ焼きとおでんを食べ[自分の使命・おでん]を思い出してまた七津屋へ戻る

 

今回の旅ではおでんも食べたかったのだった。主にちくわとこんにゃくを調査している

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七津屋は浅めで出汁が澄んでいるように思う。これは1軒目のうちに入れるとしよう

 

3軒目、天満「銀座屋」でスパサラ

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メニューにおでんがなかったけれど具にちくわが入っていて救い

 

夜も更け、宿泊地京都へ移動した。チェックイン後は「BOOKS ENDO」で1日を締める

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京都だけど本屋だけど4軒目にしよう。大阪おでんで豆腐といえば湯豆腐状をよく見るがここでは焼き豆腐。ちくわ品切れ、しらたきサービス

 

2日目。

宿の主人の言葉に朝から感涙して出発

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その時の記事■京都の宿の中国のお好み焼き屋に泣いた - きっぷ2000円 酒300円

 

熊野神社智積院を経て河井寛次郎記念館に行った

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河井さんは陶芸家

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登窯の中はアドベンチャー

 

芸術鑑賞で背徳感薄めたところで飲みに向かうが、途中の喫茶店のショーケースが今日これからを暗示するかのようだった。陶芸品、ガラスの女、倒れた酒…

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ヤッター新世界ついた。酒場巡り5軒目はおでんの種類豊富な「のんきや」だ

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隣席のおばちゃんがしきりにチンゲン菜を薦めてくれたが豆苗とくずきりに

 

6軒目「平野屋」ではいもに心奪われおでん食べず

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もう元々欲に任せた旅だからいいじゃないか。焼酎などお得で、天孫降臨といもで520円

 

7軒目「酒の穴」。七津屋風にイワシフライに出汁をかけてもらったら“そんなんオネーちゃんが初めてやわ”と言われた。大阪スタイルかと思っていたが

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隣席のおばちゃんが“その服にはピンクのスカートがええよ”とアドバイスをくれた

 

8軒目「さんかく」のこんにゃくは四角だった

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おでんをカットしてくれるのは店のママが“女の子でも食べやすいように”だって

 

ここが酒場巡りの終着となるのだがちょっとした人間模様を見た。

 

自分は隣席のおじさん、齢80と楽しく話していたけれど時々叱られた。“東京の奴は中身がない、文学的でない”とか

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確かに大阪に飲むために来てるし、おかしいことは自覚している

 

80おじさんが話の節々に身内の高学歴をちらつかせるので、すごいすごいと相槌したら、“すごくない”と叱られた。しかし自分がアホだから尊敬してしまうのだと答えると、“自分自身のことを尊敬しなアカン!何を言うとるんや!”と言われたことには若干の感動を覚えた。

 

本人は叱ったつもりらしいが、自分は朝から琴線が緩んでいるのだ。80おじさんは自らの考えを“俺なりの宗教。これが新世界”と言った

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“自分を大事にしなアカン!自分がトップ!”

※ここから先の写真は河井寛次郎記念館

 

わりと感銘を受けた自分。悟っているのですね、と言うと“悟りゆうもんは…”と語られた。息子は高野山へ修行に行ったけれど僧でなく公務員のお偉いさんになったそうだ

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素直に尊敬に値する身内の方々

 

80おじさんは店のママのことは尊敬しているらしい。“生きるということは楽しいことやで”と言われた所で話は一段落し、他のお客ともおしゃべりした

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有り難いお話でした

 

手洗いに行ったり新しいお客が入ってきたり。そうしているうちに気付くとなんと、80おじさんは別のおじさんとけんかしていた

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胸ぐらつかみ合っている

 

原因はどこぞの店の子とデートが叶わなかった別おじさんが、80おじさんへ“おまえも(私に)フラレた”のように言ったことらしい。

 

“もうやめとき!”ママの声が何度も響く。

次第にけんかは鎮静し別おじさんは帰ったが、80おじさんは興奮したままだ

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登窯

 

“アイツ前から嫌いやねん!”云々。

 

…ところが急に治まった。

 

80おじさんは急に我に返って言った。

“まだおれ人間でけてないわ”

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反省し始めた

 

“アカン、ぷっつん切れちゃった。ちょっと酔うちゃった…”

威厳を放っていたおじさんが可愛い発言をする。和む店内

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一騒動の後に笑い。旅行者にとってはまるで新喜劇

 

久々に学生紛争の青春時代に返った思いをしたそうだ。可愛らしく“ごめんごめん”と言い、ママは“気ぃ悪くせんとな”と言った。

「これが新世界」。80おじさんは身を呈して教えてくれたのだった。

 

このような短時間で自分を省みることができる80おじさんはやはりデキた人間だし、ママとまわりのお客の温かさたるや。

今回ただ大阪へ飲むために行って、新世界という劇場を体感することができました。

 

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さんかくの常連客の特権で、向かいの蕎麦屋の天ぷらを出前してもらえた。常連客は食べ方について、“出汁かけやん。これが関西やから”と言うが、アジフライ含む串カツの類には“誰が出汁で食うねん!”と言われた  

京都の宿の中国のお好み焼き屋に泣いた

 

京都のゲストハウスに泊まった。

 

旅の一番の目的は大阪の酒場巡りだから大阪に泊まるべきかもしれないが、自分は京都のゲストハウス巡りも趣味としていた

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あと、飲んだあとに宿へ戻らなければいけない使命感で、飲み過ぎを防げそうだから

 

今回の宿は京都駅から徒歩8分の「京都ステーションベース」。18きっぷユーザーにとってはJRの駅から近くてありがたい。宿泊費は朝食付きで2511円。ブッキングコムから予約した

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ヴィラって何だ

 

今回の京都ステーションベースは寝床がテントになっているらしく、かつて自分が泊まってきたタイプにはなかったものだ。建物の外観も、夜に訪れたらすっかりバーの佇まいで、たどり着いたことに気付かず一度通り過ぎてしまった

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宿はカフェバーを併設していた

 

バーカウンターっぽいフロントでチェックインし、店内を進むと宿らしい空間が見えてきた

 

奥に「Tent」の文字

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ゲストハウスというのはだいたい二段ベッドの上か下に泊まるものだけど、ここでは二段ベッド状の場所にテントが張られているらしい。楽しみな一方、狭さが心配だけどどうなんだろう

 

 

テントだ

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テントの中にふとん

 

通常のベッドより広い空間が設けられ、そこにテントが張られている。テント外の余ったスペースには荷物が置けて、むしろいつも以上にゆったり過ごせた

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ここは4人(4テント)部屋で、他に普通のベッドの個室とかある

 

こちらはシャワールームまわり。古民家がおしゃれに改装してある

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テントは屋内だけど洗面台は外。京都の冬の寒さをしみじみ感じた

 

当日は大阪で飲んでからチェックインし、軽く設備を確認して、近所へまた飲みに出かけた。酔いどれて宿に戻るとバーのコーナーでは、外国人ゲストとおしゃれメガネのスタッフが談笑していた

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自分は立呑みENDOに行っていた。別に気にしてないけれど、ギャップ

 

 

翌朝。

朝食カウンターには作務衣のような出で立ちのこざっぱりしたおじさんが立っていた。朝食券を渡すと下駄をカッカッさせながら細かな作業を始め、茶器を温めたりしている。ブッキングコムのサイト上メニューにはパン、たまご、コーヒーなどと書かれており、2511円の宿泊代に含むものだしオーソドックスを想定していたのだが

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こういうの

 

クオリティ高いやつが出てきた

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トーストかちまきかと聞かれたので何気にちまきを選んだら、自分が知る炊き込みご飯ぽいちまきと違う

 

ちまきは旨い肉が盛り盛りでレタスはシャキシャキしているし、煮卵はふるぷるでデザートも付いている

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呆然とした

 

ちまき革命だ。おじさんへ、たしか美味しいという一言と、何というお茶か尋ねたのだったと思う。そうしたらごりごりのお茶の解説が始まった

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壁の大陸地図を指差しながら

 

そのお茶はプーアル茶で、2千○○年から政府の許可がおり、中国には○○千種類のお茶があって○種類に分かれ、それがプーアル茶と○茶と○茶と○茶と…

 

この方は趣味が高じてお茶のカルチャースクールでもやっておられるのかなと思った。知らない単語と数字の話へおそらく自分は遠い目をしていたのだろう。おじさんは茶葉を持ってきてくれたり、スマホでお茶の木の写真を見せてくれた

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これはウィキペディアより

 

とにかくプーアル茶が貴重で体に良いことは伝わり、酒飲みにはありがたく頂いた

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プーアル茶は微生物発酵だからすごいらしい

 

お茶のお代わりも注がれ話は続いた。“○省が…○○省で…○○○街道に…

…それで広東省お好み焼き屋をやってるんですけどね” 

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ハッお好み焼き!

 

おじさんは中国でお好み焼き屋をやっていると言い、現地のテレビで店が特集された動画を見せてくれた


米谷 実と彼の料理店「浪花屋」(中国広東省佛山市)

“僕テレビに時々出るんですよ”

これは面白いことになってきたぞと本腰を入れて話を聞き始めた

 

ユーチューブには米谷実さんと書かれていた。米谷さんは3ヶ月ごとに日本と広東省を行き来して、お好み焼き屋とこの飲茶店をやっているそうだ。どうりでちまきが旨く、作り方は広東人から教わったもので、味付けは薬草らしい

 

どうして中国でかというと、以前に別の仕事に就いていた頃、地元大阪から中国へ行った時に食べたたこ焼きが、たこ焼きらしからぬことになっていたためだった。“これは日本人としてはちょっとまずいやろ。原因はたこ焼きです”と

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 米谷さんのツイッターを見つけた

 

“ただでさえ日本と中国の仲悪いじゃないですか。はっきり言ってちゃんと伝えられていないから悪いもへったくれもない”。米谷さんは国交とたこ焼きを混じえて話す

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これはENDOの栓抜き

 

料理人の弟さんと、前職の定年後に中国でたこ焼き屋を開こうと決めた。そのうちに美味しいたこ焼きを提供するためには常に焼きたてでなければいけないと考え、それが叶えやすいお好み焼きに変更。そうして準備を進めていたが、しかし店ができる一週間前に突然、弟さんが心臓発作で亡くなってしまったーーー

 

米谷さん自身は料理人ではなかったものの、“まあお好み焼きは大阪の人間は家で焼いてましたから、小さい時から作れるわけです。それで始めた”。

 

自分は興味本位で聞いたことを反省した。日本でもテレビになるべき話だった。中国の店は10年ほど前にオープンし、今や著名人も訪れる人気店となっていた

zh-tw.facebook.com

中国語のFacebookを日本語訳したら浪花屋がスプレーハウスに変換された

 

京都の宿のモーニングの飲茶店はというと、中国に渡ってからも日本の処方薬を飲んでいたが、ある時から血圧とかの薬を飲まなくてもいいくらい数値が良くなった。日本の主治医では謎だったが、お好み焼きで知り合った漢方医に聞くと、日々飲んでいるプーアル茶のおかげであることがわかった

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茶店は「荟萃茶馆」(フィチョイ・チャンカン)という名で営業している

 

それからプーアル茶のことを勉強した。“特に黒茶というやつがいいんですよ。でそれを紹介したいばかりにどこかで店できないかなと思っていたんですよ”

 

そんな時かつてバックパッカーをしていた息子さんがゲストハウスを開くことになり、併設の飲茶カフェを始めることにした。昨夜のおしゃれメガネだ

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“うちの息子もそっち(中国)でレストランやってましたからね。いろんなこと覚えてきたんでしょうね”…これは親子特番だな。飲茶店の経緯にはまた後ほど感動する

 

ゲストハウスは親子が自分たちで建てた。“僕ら日本で商売するのまだ2年くらいしか経ってないですから。そのうちの初めの1年くらいはほとんど大工仕事。家を潰して”

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昨夜撮った写真はぼやっとしていた。自分は酔っぱらっていた

 

“僕はこっち側で中国風に作って、裏は長屋みたいな雰囲気であいつが作った。中庭作ったりね。下の石を引いたのは台湾のやつ(人)ですよ。日本の庭園を勉強しに来たやつがいまして”

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夜ライトアップされてたここかな

 

“そこの絵なんかは画家になりたいゆうやつが描いて…それは中国の友人のお母さんが作って送ってくれた。あれはチベットの教典で…”

 

昨夜は酔って見えなかったけれど随所にこだわりが施されていた

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たくさんの込められたものを知り、自分は胸がいっぱいになってきた

 

ところでせんえつながら、自分には将来田舎で角打ちをやりたいという夢がある

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 これは私の実家にもあった

 

“向こう(中国)では朝6時くらいからおばあさんおじいさんが飲茶屋に集まってね、麻雀したりご飯食べながら遊んでるんですよ。日本の年寄りはね、一人でいて寂しいでしょ”

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宿のある町内では一人住まいで引きこもり気味のお年寄りが多いそうだ(写真は近くの定食屋)

 

“向こうのおばあさんおじいさんたちは元気にしてるのに、日本は寂しいでしょ。だからそんな場所ないかなあと思って飲茶屋をやりたいと。せがれがゲストハウスをするからと言って、でその一角でこれをやってる”

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エッ(写真は頭に落ちた雷のイメージ)

 

自分の夢、田舎で角打ちの理由と重なった。驚いて涙し、訳を話すと米谷さんはまたいいことを言ってくれた。“やりたいかやりたくないかだけ。考えたって時間ばかり過ぎる。やりたいことやったらいい”

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言葉は力強く響いた。単純だけど自分では考えつかないことだ。(写真は近くのパン屋)

 

“とにかく歩き出さなきゃ何も始まらない。殆どの人が考えてるうちに時間がすぎてしまうんですよ。一回しかない人生ですからね。失敗したところであまり変わりはない”

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熊野神社のくすのきは樹齢900年

 

角打ちの話も伺った。“昔僕たちが小さいときはね、酒屋の入り口に角打ち場があってね、隣どうし職人どうしが話して仲良うみんな飲んどったんですよ。嬉しそうにみんなやっていたんですけどね”

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そうそう、そういうのやりたい

 

“何かして生きていくのにどこの国へ行ったって同じですよ”。中国で店を営む米谷さんの言葉には説得力があった

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たまご屋さんの車

 

チェックアウトの時間をむかえた。

ゲストハウスで朝から偉人に会って泣き、生涯心に残るモーニングとなった。米谷さんは中国のお好み焼き屋さんなので次いつ会えるかわからないけれど、いつか良い報告をしたいと思う

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今回宿の写真が足らず近隣の写真を挿し込んだ。新熊野神社は野外博物館のようになっていて楽しめた

 

なお本文中掲載の動画がだいたい中国語なのだが、お好み焼き屋のバイトの女の子が辞めるシーンがあり、“米谷さんに出会えて良かった”みたいなことを言っていた。わかるわかる!となった。

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