きっぷ2000円 酒300円

18きっぷでぶらぶらしたり酒を飲んでいます。恥を書いて昇華する。

10月まとめ~ゲソがない

 

10月の酒場を振り返る

 

10月1日、日本酒の日は日本橋ふくしま館へ。若関本醸造が好みのにおい

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田町まるちょう。女はよく食事の写真を取るけれどおじさんたちは仲間の写真を取り合うんだなあ…とつぶやいたら、“おじさんたちは寂しいんだよ”と言われた

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頂いたチーズと

 

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頂いた餅と

 

小伝馬町やまとは、角打ちと思って入ったら料理屋の雰囲気。“入院したから2日ぶりの酒だ”という声が聞こえた

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蒲田たの平のあら煮は色んなのが入ってる

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新橋ビーフキッチンスタンドでアヒージョを。慣れない洋風の店でバケットをびたびたにする始末(旨かった)
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新橋そば田を久々に訪れたらゲソ唐揚げが太ッとウマく、かつ煮とおでんも気になるから今後お世話になりたい

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大井町豊後屋のゲソ揚げは衣が軽く、いわゆる“唐揚げ粉味”ではなくゲソが活きている感じ

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蒲田双葉食堂でオムライスとビール。自分は瓶ビールが好きだ
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大森タカマル鮮魚店の大きいアジフライは大きすぎて箸で持ち上げられない。瓶ビールが欲しくなった
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銀座わしたショップの前を通ったらなんと酒まつり開催中。泡盛の試飲が100円で、ウォーターサーバーの中がシークヮーサー水で嬉しい
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新橋おさけ村でベルジャンホワイトというおしゃれビールを頂いた
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大森富士川のとり皮黒酢煮は、ごはん3杯いけそう

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錦糸町粋でウマイウマイと言う声が聞こえてきたから注文してみたあさり唐揚げは唐揚げ粉味が強め。黒糖そら豆と車麩の親子煮も食べてみたい

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新橋串かつでんがなは、どて焼と山椒焼酎のハイボールが美味しい
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新橋立ち呑み串カツ田中は玉ねぎ、鶏カツともゴロっとジューシー。2杯呑んで330円

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上野五の五のどて焼は田中から肉を削いだ感じ

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蒲田信濃路のどて焼は大根入りでイチゴーの牛スジ煮込に似ている
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人形町の加島屋へメトロリンク(無料バス)で行き150円のワンカップを飲む始末
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錦糸町丸源、店の女子は自身のHERMESのネックレスをコレ高クナイヨと言い、隣のおじさんは最近マンション買ったヨと言ったf:id:sinomiy:20191010193401j:image

 

銀座君嶋屋で「天草特酎」(熊本)スッキリ

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品川大平屋で1本のつもりがカルパスお裾分けもらったから仕方ない。あと2本飲んだf:id:sinomiy:20191019193310j:image

 

木場三国屋のおかあさんは肝っ玉
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蒲田阪口酒店の缶酎ハイコレクション
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初めての桜木町フクミ、閉店10分前だったけれど豆とチーズをご馳走になり自己紹介しながら急いで食べた

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六本木、本格焼酎泡盛コレクションでかつてない芳ばしさだった「こふくろう」(福岡)
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大手町日経ホール、11月1日の本格焼酎の日に向けた焼酎セミナー
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秋葉原、全国市販酒フェスタで美味しかった「くろはち」(鹿児島)

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日本橋べったら市で飲み仲間に遭遇し、休肝日だったのでウーロン茶で乾杯したが相手すでに酔っていたので気分をおすそ分けしてもらった感じ
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上野たきおか2号店、品切れの煮込みのかわりに注文した牛煮込みは、もつ焼でんのアブラ煮を彷彿した

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上野たきおか3号店、大瓶450円ゲソ唐揚げ230円
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茅場町魚平、ゲソ唐揚げが品切れで注文したイカ刺しは250円。ここでは高価な品
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大井町晩杯屋、イカの黒コショウ揚げは素揚げに近いくらい薄衣、食感はハムのよう

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門前仲町魚三、ゲソ唐揚げを求めて行ったがメニュー取扱いなく、注文したゲソ天ぷらも品切れで、全然違うけれど生白子を

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門前仲町凪○でもゲソがなくてタコ唐揚げを。隣で飲んでいた婦人が自分のおもちゃのアクセサリーを“それ水牛?ベネチアンガラス?”と言ってくれて、例えが高貴

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八重洲呑うてんきにはあった、ゲソ唐揚げ350円。欲を言うと七味マヨネーズがほしい

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桜木町はなみちのメニューにはゲソ天ぷらが書かれていたが品切れでマグロ唐揚げを。国鉄の新幹線運転手が当時の教科書と制服の譲り手を探していたが、自分は春巻きを譲ってもらった

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蒲田鳥万も「いか唐揚」品切れ。最近どの店もいかがないと嘆いたら、いつもクールな店のおばちゃんたちが同情してくれた

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ゲソ唐揚げブームが起きた今月だったが、あまり食べることができなかった。イカフライとイカ刺しはあるのになあ
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いか天スナックは休肝日に、大井町武蔵屋にて

 

 

 

9月まとめ〜夏を惜しんで

 

9月の酒場を振り返る

 

蒲田勘蔵へ久々に行ったら知ってる顔ぶれだし生ハムサラダ150円で嬉しい
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人形町を通ったので加島屋と思ったが江戸川橋の店まで足を伸ばしたら休みで、結局加島屋へ戻った。安らいだ

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田町まるちょう、かつてこの辺りではマハラジャというディスコとドレスの女性がよく見られたらしい

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自分はせっかく東京へ出てきたのにディスコにも行かず缶酎ハイばかり飲んでいていいのだろうかなど思った(田町芝浦スタンド)
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大井町武蔵屋の皆から色々頂いた
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品川大平屋で頂いたカステラがふわふわで優しい
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日本橋ふくしま館で売っている油揚げは美味しい

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蒲田ドラム缶の馬刺し350円f:id:sinomiy:20190913182111j:image

 

新橋こひなたの馬刺し300円。隣の女性客から立ち飲みとホッピー初めて、明日は恵比寿で打ち合わせと聞こえてきた

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三ノ輪モリタヤで「おこげ」。先輩たちの年代によりもんじゃの価格が5円や100円。むかしお墓の裏にあったもんじゃ屋は〝お墓もんじゃ〟と呼ばれていたそうな
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木場三国屋で「閻魔」
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名古屋3軒にてどて煮こんにゃくの染み具合を見た
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上野たきおか巡りをしたところ3号店が好みだった
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茅場町魚平のキリン秋味麦芽たっぷり1.3本分〟になっても410円
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蒲田もつ焼でんのアブラソース煮に、おののく

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大井町まえかわの前を通ると知り合いが見えたので一本
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夏を惜しんで沖縄料理のある浅草橋二百円亭、もずく天ぷら。先月も見かけた辛口おしゃべりのおばさまに〝私たちどちらが年上だと思う?〟と問われて困った

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新橋串カツでんがなのミミガーの塩気に熱くなった

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蒲田たの平のゴーヤつくだ煮(右)はザボン砂糖漬けのよう

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今年の夏は日比谷公園でよく飲んだ
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蒲田阪口商店の種類豊富な缶酎ハイコーナーから沖縄限定モノを見つけて喜んでいたら隣の席が偶然A&WのTシャツの人で、記念撮影

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大井町豊後屋の夏ぽいおもちゃf:id:sinomiy:20190912194658j:image

 

〜今年の夏は水族館へよく行き、カエルアンコウと白いサツマオコゼとフウセンウオが可愛いかった。全部歩くように泳ぐやつ

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青山のうどん屋いわしやのちょい飲みセットがハイボール ぶっかけうどん あなご天 明太じゃがバターで1000円。ツユだけでも飲めるハイコスパ
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~今年の夏はいろいろ麺を食べた。さこちゃんの蕎麦…仙台の神田…みんとのうどん…

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桶川うどんと合盛り蕎麦とジャンボスイカコンテストの思い出…

 

門前仲町魚三が値上げで酒200円あら煮70円
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三ノ輪安井屋はローカル色強烈だったけれどすぐ馴染み、うなぎ串3種だけ注文したが大きいおすそ分け貰ってしまった。せんべい屋の社長が来ていた
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三ノ輪てぃだ食堂でパパイヤチャンプルーランチ。ポークたまごでオリオンをやる隣席のおじさんをいいなぁと横目で見ていたらサッカー選手のお父さんだった
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蒲田八重瀬でチキナー丼ランチ。都会の沖縄料理店の昼メニューにないものが場末にはある。今まで酔った姿しか見たことないジュンちゃんが実は偉い方と知るf:id:sinomiy:20190915151143j:image

「貝に歯みがき粉」「連れ込み旅館」など数々の名言を持つジュンちゃん 

 

銀座君嶋屋で「夏の赤鹿毛f:id:sinomiy:20190912184517j:image

夏惜しいけれど、秋も冬も酒場が楽しいことは知っている

 

効果の吊橋とオリベストリート

 

18きっぷでまたおでん食べ歩きなどをした帰りに台風にあい、足止めとなった駅のホームで酒を飲んでいたら、青年と話すことになった

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国府津駅。きちんと並び電車を待つ人々から離れたホームのベンチで自分は飲み、背中合わせの彼は弁当を食べていた

 

何か声をかけられて話し始めたが覚えていない。それは何気ない言葉だったためか浮かれたせいか。大雨、知らぬ町、トラブル、《これは吊り橋効果のシチュエーションだ!》と中年の自分は舞い上がってしまった

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「まるしま(静岡)」

※挿絵がないためおでんを載せる

 

年齢は20代中頃だろうか。互いに東京から愛知県へ18きっぷで出かけた帰りとわかり、旅の話をした

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「神尾きんつば(用宗)」

 

青年の話が素敵だった。〝きのう家系図を見て愛知に親戚がいることがわかったから今日行ってみた〟と言うのだ。何という冒険家だf:id:sinomiy:20190913160604j:image

「八幡屋(亀島)」

 

家系図を見せてくれて、〇〇右衛門が…などと語る姿が輝いて見えた。これぞ正しき18きっぷの使い方ではないか。JRにも教えたい

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「のんき屋(亀島)」

 

方や自分は台風の都合で飲み屋に寄れず悔しいと話し、呑兵衛まる出しであった。遅れていた電車は思ったより早く到着と発車し、我々は横浜駅で滞りなく別れたf:id:sinomiy:20190914083909j:image

「大井神社売店(島田)」

 

思えば「行き」の電車も嵐のように過ごしていた。川崎くらいから腹痛を起こし、沼津で用をたすまでヒヤヒヤであった。沼津乗換で急ぐ連絡通路の群れから自分は手洗いへ走った

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用宗で生しらすも食べた

 

おでんときんつばしらすを食べた用宗では、道に迷っていたら見かねた人が声をかけてくれて、しかし教わった場所は何度も通り過ぎていた道と思えぬ藪だったf:id:sinomiy:20190914083645j:image
そこをまっすぐと言われた

 

巨大な虫が飛ぶ藪。覚悟を決めて半目で飛び込み、ざらざらと草木を感じたのは一瞬だった。5秒で公道に出ることができた。ワープだ

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危ない橋といえよう

 

本来は「じゅん」を経由するはずだった。ワープ体験をした用宗はこの夏、心に残る場所となった。

 

【ここからオリベストリートの話】

今回は大曽根に宿泊したので、アクセスしやすい多治見のオリベストリートへ行ってみたf:id:sinomiy:20190914163824j:image

「大安(大曽根)」

 

名古屋市大曽根駅から岐阜県多治見駅までは電車で30分足らずの距離だが、岐阜県に入ると急に景色が変わり驚いた

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急に渓谷。今さっきまで住宅街だったのに

 

多治見駅
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壁画が渋谷駅みたい

 

〝陶器のまち多治見〟は改札を出てからながせ商店街を経由してオリベストリートに至るまで芸術的だった

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前日にあいちトリエンナーレの一環である音楽ライブへ行き、展示は見ていないのだがオリベストリートでそんな気が満たされた

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あいち


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オリベ


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オリベ

 

オリベストリートで多治見名物の焼きそばを食べようと喫茶店に入ったが、注文時に「たじみそ焼きそば」でないとわかり、謝って店を出た。店頭のメニュー看板で焼きそばをアピールしているように見えたのでたじみそだと思ったのだ
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拡大

 

しかし何も注文しないのは大人気なかったと反省している。失礼な奴(自分)が来たり犬にシッコされたり気の毒な店だf:id:sinomiy:20190915180738j:image

いっぱい書いてあった

 

肉屋で伺ったところ、地元ではふつうのソース焼きそばのほうがよく食べられるのではないか、ということだった。喫茶店の老夫婦自慢のソース味だったのかもしれない
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結局多治見ではコロッケと甘味を食べ、やまきやの麩まんじゅうがとくに美味しかったf:id:sinomiy:20190915170811j:image

 

オリベを歩いていると、緑色が入る光景が織部焼きの模様に見える麻痺が起こった。全てがアートに見えてラッキー

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この晩が台風だったので早めに帰路に就いた

 

いい旅だった

 

磯原の古墳案内人 

 

常磐線茨城県を進むと車窓に海が映る。夏、海見たい。特に磯原あたりは奇岩も見えて、駅から海岸まで近いようなので行ってみた

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18きっぷで東京から仙台へ帰省する途中のこと

 

磯原駅
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鳩かと思った鳥の像はカラスだった

 

磯原は作詞家野口雨情の故郷で、歌詞のモチーフが町に飾られていた。上のカラスの像は「七つの子」より。聞き逃したけれど電車の発車メロディもその曲だったらしい

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「証城寺の狸囃子」

 

町の名物からくり時計

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尾形山横穴群夢窓窟というのも気になったので海より先に向かった f:id:sinomiy:20190902184259j:image

 

 

夢窓窟とは、あの夢窓国師にまつわる場所だという。駅から5分くらいで入口らしき場所に着き、辺りを見渡したf:id:sinomiy:20190827160628j:image

左見て

 

右見て
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家?

 

右手に堂々とした玄関付きの横穴がある。手前の壁は普通の今どきの家だ。横穴群の案内板はない。とりあえず写真を撮っていると手前の家からおじいさんが出てきて、無断撮影に怒られる?と思った。

 

横穴を案内してくれた
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〝あっちはおれげ(おれの家)で掘った防空壕

 

すぐさま夢窓窟を見に来た旨を話すと、家の裏に広がる原っぱへ連れて行ってくれた。おじいさんが言うには、原っぱには「尾形山横穴群夢窓窟」の史跡案内板があったが、市の観光協会が直していて今はないそうだ。しかしおじいさんから約1時間に渡って話を聞くことができた

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横穴は草木の影になっていて目立たない


おじいさんの言葉を要約する。

〝子供の頃、横穴に骨なんかは入っていなかったのでお墓(古墳)とは知らずに中に入り、原っぱでは野球をした。穴の中にはシナの刀剣が入っていて遊び道具にしていたが、戦争が始まると剣は軍に持って行かれた。家の鍋など鉄は何でも徴収された。穴は防空壕となった。入り口の形が違うものは防空壕として昭和に掘ったものだ。小学生の頃、親と「つるっぱし」一つで掘った。

 

戦争が終わるとそこは古墳であり夢窓国師が悟りを開いた場所だから、遊び場にしてはいけないと言われた。そのうち原っぱには平屋が5軒ほど建ち、信心深い人々が集まってお坊さんを呼び、念仏講が行われ穴は祀られた。原っぱはお年寄りの社交場となった〟f:id:sinomiy:20190904173919j:image

穴の手前に石仏のようなものが見える

 

〝住人たちが老いて亡くなり、念仏講を行う者がいなくなると原っぱは荒れた。家屋が撤去されるとき業者は宗教的なものは処理できないとして、横穴のまわりは放置された〟

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住人たちが使っていた井戸

 

のちに横穴は夢窓窟と呼ばれる市の文化財となったけれど現在、原っぱは荒れたままだ。おじいさんは自宅裏のことなので案じて市へ抗議したが『そのうち行きますから』との返答、一部私有地としている地主には『穴掘ったのはおれじゃないから…』と言われたらしい。

 

史跡案内板は修理のため外されたまま。写真中央にわくだけある

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鬱蒼として穴に近付けない。蚊がたくさんいた

 

市による除草は3年に一度きりだけれど今度、他市町からの視察が来るため『掃除しないとなあ』と担当者が言ったそうだ。これに対しおじいさんは〝何言ってんだ今ごろ。そのままにしておいて恥を知れ〟というようなことを言っていた。

 

原っぱにはかつておじいさんの祖父が通った寺子屋もあった。また別の時代には原っぱの向かいにトロッコが走る炭鉱があったという

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軌道。奥が炭鉱

 

初めに見た玄関付きの穴はおじいさんの倉庫だった。扉は家を建て替える時に取っておいたもので、昔はこの中で海水から塩を作っていたとか。何から何まで教えてくれた。

 

 

握手をしておじいさんと別れたf:id:sinomiy:20190904173948j:image

怒濤のヒストリーと茨城弁と蚊と暑さだった。ここまでの文に誤りがあるかもしれないが、4か所蚊に刺されながら聞いたので許してほしい

 

 

さて海へ向かう。駅を介して行くと観光案内所があったので係のお姉さんに尋ねると、海岸までは歩いて十数分で着くけれど、砂浜のあるポスターのような場所へは30分かかるらしい

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おじいさんの天敵の観光協会

 

ポスターを見て、自分が車窓から気にしていた奇岩らしきものは写真の「二ツ島」かもしれない、とお姉さんに話すと〝電車から見えるかな?〟と言われた。ふだん電車に乗らないため知らないらしい

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磯原駅から次の大津港駅までの距離は常磐線内でいちばん離れていて、二ツ島は中間にあるそうだ

 

お姉さんは〝遠いし暑いからできるものなら車で送ってあげたい〟と言ってくれた。案内のプロが言うのだから本当におすすめの場所なのだろう。是非行ってみたいが自分には時間がなくなってきたので、後日に改めることにした

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歩道橋から少し眺めた海

 

観光案内所がある駅から窓の外に目をやると人だかりが見えて、あれは何ですかとお姉さんに尋ねると肉屋だった。お姉さんも好きな店で〝昨日は夕飯にチューリップを買った〟という。

 

 

海はやめて、そこを最後の地にしよう

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久利山精肉店

 

 

チューリップを電車で食べて美味しかった
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下はコロッケ。メンチカツは売り切れていた

 

 

お姉さん、これが車窓から見た二ツ島ですf:id:sinomiy:20190831173446j:image

左端かすかに