これまでの話
2泊3日大分旅行の2日目、前半は大分駅周辺のミュージアムなどでのんびり過ごし、後半は磨崖仏を見に行く
iichico文化センター前からバスで向かう
大分の繁華街から約20分。車窓は次第に緑が濃くなり、自分の停留所の頃には山中だった
大分市立美術館前の停留所で降りた。写真は美術館の敷地を出たところの景色。循環バスは折返し地点で、都会へ帰って行った
磨崖仏を趣味としているので山に入ることは必然だが、毎回下調べが甘いため、うっかり山深さに驚く
この道進んで大丈夫かな…
これ国東の山で乗せてもらった軽トラックに似てる。昨日はありがとうございました
薄暗い道に不安になったが目的地はすぐに見えた。伽藍石仏だ
木々に囲まれてスピリチュアル
穴の奥の壁にそれぞれ仏像が掘ってあり、説明に“光背を彫りくぼめた中から仏身を厚く彫り出す彫法が鎌倉時代以降の豊後独特の手法”と書かれていた
伽藍石仏は厚さが分かりにくいけれど、臼杵石仏だと確かに厚い
花が供えてあって看板がきれいで、地域の優しさを感じた
山を降りて磨崖仏を巡る
伽藍石仏から歩いて20分、次は岩屋寺石仏だ。十字路交差点の屋根が付いている一角がそうだった
近付くと岩肌に17体の仏像が彫られている
損傷が激しくて姿がぼんやりしているのは、体がすり減るほどのパワーを人々に送っているのだと思いたい
こんな交差点うちの近くにも欲しい
この辺りの古国府駅から大分駅の間は史跡巡り散歩コースに推奨されていて、寺社や古墳などもある
ぽつんと立つ石仏も可愛いけれど、時間の都合で磨崖仏だけ巡る
3カ所目で最後となる大分元町石仏は、完全なる覆屋に隠れていたので通り過ぎるところであった
ちょうど参拝に来た人が、中にいるよと教えてくれた
扉を開けてもらうとセンサーで照明が付き、迫力の磨崖仏、薬師如来坐像が現れた
自分は磨崖仏の、薄肉彫りで風化していて自然と共にある様子が好きだったが、3メートル厚肉彫りの岩薬師様(通称)と狭い堂内で対峙すると感動せざるを得なかった
お香が漂う堂内は雰囲気満点
白い部分は修復の跡で、顔は綺麗。説明には臼杵石仏に並ぶ大分の代表磨崖仏と書かれてある。知らずに来たので余計に、いいもの見つけたと思った
拝みすぎて照明が何度も消えた
夜は気になっていた店かなちゃんへ行った
昨夜宿の近くに見つけた店
自分は旅先では、地元のお年寄りが普段使いするような店へ行くようにしていて、かなちゃんの「関あじ関さば」と書かれている小料理屋の佇まいは違うかもしれないし(300円では飲めない)と思ったが、扉からざっくばらんな雰囲気を感じ取り入ることにした
有楽町の観光案内姉さんに教えてもらった泣いた赤おには今日も休みであった
日頃の酒場通いのカンか、かなちゃんは当たりであった。楽しい大分の夜を過ごすことができた
お通しは名物りゅうきゅう。かぼすをたっぷり絞って食べる。関あじ関さばは今日はないようだ
この時店にいたのはママと女性2人とおじさんで、かなちゃんが自分に合った店ということを象徴する場面があった
りゅうきゅうを食べ終えたので焼きなすを注文したら、お代わりりゅうきゅうが注がれた
それぞれが旅のスタイルを語る。一人は“お土産屋さんより地元のスーパーに行くのが好きだわ”と話し、もう一人は“私は場末が好き”と言う
これは今回の旅のスーパーセレクション
ママも語る。“私はかなちゃんみたいなキッたない店に行くわ〜。じーさんかばーさんがいるか、店の中のぞいて”、と。
まさに同じだった。この推定50〜70歳の女性たちは自分とは生まれ、環境が全く違うけれど、クラスにいたら絶対同じグループだ
ママ(かなちゃん)がリーダー格
もう一人のおじさんはカウンターに盛ってあるかぼすをお土産に持たせてくれると言ったが、荷物が重くなるからやめなさいと、かなちゃんに止められた。何にでもかぼすを入れるという大分県には、柑橘好きの自分は嫁に来たいと思った
“なんにもないけど”と言って出されたおろし豚バラ。あとビスコももらった
会計はビール中瓶、かぼすハイボール、お通し2杯、茄子、豚バラで2000円と謎の安さ。支払いの後なのにかなちゃんが言った“もっと飲んで行きなよ”は、親戚の感じであった。
名残惜しいけれど、かなちゃんの皆と別れて駅ビルの豊後酒場に寄った。大分最後の夜だからできるだけ郷土料理を食べたかったのだ
豊後酒場は大分のチェーン寿司めいじんが手掛けるカジュアルな居酒屋
気になるぎょろっけとニラ豚を食べた。ぎょろっけは思っていたほど厚くなく、ニラ豚は鮮烈なしょっぱさだった
たしか醤油の「刺身」が甘いほう
またスーパーに寄って宿へ戻った
10月の大分はひまわりが咲いていた
大分記5へ続く