最終回となる大分記5です。別府の地獄をめぐりました。
sinomiy.hatenablog.com
前回までの話
大分3日目の予定はちゃんと決めておらず、おそらく大観光地であろう別府に行けば何とかなるだろうと、ぼんやり思っていた。そんな2日目の夕方、大分駅の柱に地獄めぐりバス割引の広告を見つけて、これはお得と行くことにした
3900円が2100円。すぐに電話で問合せたら営業時間短縮中でもう終わってます、というメッセージが流れた
予約していないけれどまず行ってみよう。かなちゃん※も、“平日はすいてるよ”と言っていたし大丈夫だろう
大分から電車で向かったら車窓が爽快
別府駅
駅に着いたらすぐに張り紙が目に入った。バスは満席だと
ツアーは2100円で箱入りクッキーとオリジナルグッズももらえたらしい。自分のスケジュールの甘さを後悔した
どうすべきか駅の観光案内で尋ねると、案内氏は淡々と、他のバスの乗り方や地獄めぐりの説明した
初老の自分は行程を覚えきれずプチパニックを起こした
案内氏が言うには、観光バスを利用しない場合は乗り降りし放題のバスが有効だけど地獄は7箇所あって、5箇所の地獄ゾーンへ行くバスはたくさん来るけど残り2箇所の地獄ゾーンへ行くバスは30分に1本で、地獄蒸しは時間がかかるし地獄バスを降りたら自分は空港バスに乗らなければならず、空港バスは予約制じゃないからもし満席で乗れなかったら地獄!
クールに見えた案内氏だったが、不安がる自分を諭すように話し、最後は『大丈夫 きっと上手く行く』と今日イチの笑顔で送り出してくれた
これは大分駅前のザビエル氏
フリー乗車券を買ってバス停へ。あっちの停留所に来るものはどれでも地獄に行くから、と聞いたはずだが、さっそく間違えて乗っていた
18きっぷ以外の乗り物はからっきしなのだ
リスタートして乗った車中も着くまで気が抜けない。20分くらい不安な時間を過ごして地獄のバス停に到着した。案内氏の言うとおり、まず海地獄へ行って地獄めぐり共通券を買うつもりだったが、バスを降りてすぐの所に山地獄という、別料金の地獄があって危なかった
この券で入れない
山地獄は羊など山の動物がいるようだ。今回はやめておいた
別府名物地獄めぐりを始める。
一、海地獄
海地獄は神秘的で涼しげなコバルトブルーの池。じっと見ていると海のようですが実は摂氏98度もあるのです(地獄ガイドより)
平日の午前、海地獄は思ったより混んでいた。近くにいた清掃スタッフに尋ねてみると今日は空いているらしく、“昨日は3倍来てたよ、みんなお金があるのか時間があるのかね”と言っていた
併設のギャラリーAO(あお)はモダンで、期待していたレトロな温泉街とは違っていた
地獄とは、この辺りが千年以上も昔より熱湯、噴気、熱泥などが噴出していて嫌われた土地だったから地獄と呼ばれるようになったらしい。なんとなく雰囲気を掴んで隣の地獄へ進んだ。
ニ、鬼石坊主地獄
灰色の熱泥が大小の球状をなして沸騰する様が坊主頭に似ており鬼石という地名に由来して鬼石坊主地獄と呼ばれている
石好きの自分はこの地獄が好みだった。灰色のコポコポが可愛い。海地獄よりレトロさもある
だが以降はレトロのオンパレードだった
次の地獄は歩いて5分の所にあるらしいが道に迷った
行き方の写真も撮ったのに
地図を持ち交差点でキョロキョロしていると、信号で停車中の運転手がどこに行くの?と声をかけ教えてくれた
皆様に支えられやっております
運転手に教えてもらった道を進むと、今日自分が乗れなかったツアーバスに遭遇した
バスガイド女性へ、予約は何日前に締め切りになったのか尋ねると、けっこう前からでけっこう先まで満席らしいが、それよりも自分はバスガイドと交流したという満足を得た
ツアーバスを見送り、三番目のかまど地獄へ入る
ベストショットの宝庫
かまど地獄は昔、氏神竃門八幡宮の大祭に地獄の噴気で御供飯を炊いた習わしがあったところから名付けられました。猛烈な噴気と共に高熱温泉を出しています
海地獄と鬼石坊主地獄とこの先の血の池地獄のような三種類の池が見れてお得。係の人による蒸気噴出ショーなども
かまど地獄はアトラクションが楽しかった
顔はめたり
温泉飲んだり
温泉スチーム
一人で楽しんでいたら若い男女のグループに写真を頼まれた。彼らとはこの先全ての地獄で出くわすことに
温泉ピータンと石垣饅頭を食べたから地獄蒸しレストランに行くのはやめた
四、鬼山地獄
別名ワニ地獄の名で親しまれています。大正12年に日本で初めて温泉熱を利用したワニの飼育を始め約80頭のワニを飼育しています
ワニ園にマレーシア建築があって、富永一朗氏から名が取られたワニの剥製が展示されていた。ワニのイチロウは世襲制で、現在は3代目が生きているそうだ
剥製の大きさにかまど地獄で会ったグループも驚いていたが、富永一朗には触れない様子。マンガ道場世代ではないのだ
マレーシア建築にセラムン時計
五、白池地獄
和風庭園の中に青みがかった白色の池。噴出時には透明な湯は、温度と圧力の低下により青白く変化しており、風情のある庭園は眺めていると心が落ち着くよう
かつて人が寄り付かなかった地獄は和風庭園となった
また、敷地内には温泉熱を利用した熱帯魚館もあり、アマゾンに生息する熱帯魚なども見ることができます
ワニの次は熱帯魚。水族館の気分だ
レッドテールキャットフィッシュが可愛くて地獄であることを忘れそう
ここまでで5つの地獄ゾーンは終わり、残り2つの地獄へバスで移動する
あの若いグループは自転車を利用していた
六、血の池地獄
日本で最も古い天然の“地獄”といわれる「血の池地獄」は、ひと言で表現するなら“赤い熱泥の池”です
七、龍巻地獄
激しく噴出す間欠泉が迫力満点!一定の時間をおいて周期的に熱湯が噴出します
バス時間の都合で両地獄はかけ足で回り、グループを撒くこととなった。血の池地獄には血の池軟膏、龍巻地獄には龍巻農園という所で収穫された果物のジュースなどが見られた
地獄めぐり達成!
案内氏より地獄から別府駅のほうへ戻るにはバスで30分かかると聞いていたので、帰りの車内はのんびり景色を見て、リラックスして過ごした
別府タワーは名古屋テレビ塔、通天閣に次いで日本で3番目に建てられた高層タワーだって
地獄から町へ戻った。今度は空港バスに乗るが、時間まで別府の商店街を歩いたら、絵になる景色がいっぱいだった
外観だけで肴になる店
観光案内氏へ地獄からの生還を知らせたかったが、休憩中か姿が見えなかった
〜終わりに〜
今回4000円分の地域クーポンがあったが、電子クーポン対応の店がほとんどなく、帰りの空港バス券でやっと1000円を使った
空港の入口に両子寺を模した像があるの、2日前は焦っていて見えなかった。国東観光ツアーが運休でなければ行っていたお寺だ
クーポンあと3000円。乗り継ぎの都合で飛行機が発つ2時間前に空港へ来たが、クーポンで買うお土産選びに勤しみ、時を過ごした
焼きやせうま…臼杵煎餅…豊後手焼煎餅…かぼす味の色々美味しそう…。かなちゃんの皆はざびえるよりルイサのほうが美味しいと言ってたな
空港にある、有楽町の観光案内姉さんおすすめの寿司屋はお土産を選んでいる間に閉店していた
帰りには別府のトキハ百貨店で買っていた戸次名物ごぼうまんを食べた
大分旅行では不便なことも多かったが、今思い返すのは人々の優しさばかりである。旅行の前に横浜の酒場で、大分出身のマスターへ移動手段の相談をしたら“駅前に立ってたら誰か乗せてくれるよ”と言われた
マスターの大分おすすめは野趣ある温泉やストーンサークルなど
シチュエーションは違うが、国東の山では実際に送ってもらうことになったし、別府の交差点では車の人から声をかけてもらった。
自身の行き付けバーを紹介してくれた観光案内姉さんは“行けば誰かごちそうしてくれるよ”と言い、かなちゃんでは謎の安会計を受けた。
たたんばぁの店員は県外の出身で、大分は良いところだと言った。自分はふだん色んな地域に出かけていて、その都度に良いと感じているが、確かに、大分は本当だと思った。