きっぷ2000円 酒300円

18きっぷでぶらぶらしたり酒飲む記録。写真が下手です

新町ひなまつりは人情物

 

雛祭りチャンス到来である。近年、町をあげての雛祭りイベントが各地で催されている。以下は昨年の祭りを巡ったものだ

鴻巣 びっくりひな祭り - きっぷ2000円 酒300円

岩槻 まちかど雛めぐり - きっぷ2000円 酒300円

有松 福よせ雛 - きっぷ2000円 酒300円

 

今年もこの季節を待っていた。何がチャンスかと言うと、2つの事をあげたい。1つは、一度にたくさんの雛人形を見るチャンス。2つめは、ふだん利用することのない商店に関わるチャンスである。

 

 

そういう事で、やって来ました新町
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駅前の様子

 

 

今年、舞台に選んだのは群馬県高崎市の新町である。こちらの祭は10年前から開かれており、なかなかの歴史を持つ 
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駅構内に飾られる人形に、雛めぐりマップが添えてあった


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〜第12回 新町ひなまつり〜 2018年2月10日(土)〜3月3日(土) 開催!

 

 

新町の祭は、主に徒歩圏内で行ける商店の飾りを見て巡るようだ。駅を出るとすぐに雛めぐり会場に辿り着いた
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まず訪れた会場はリブ化粧品店さん

 

 

自分はふだん化粧品を駅ビルなどで買うので、個人経営店を見るチャンスだ。扉を開き「すみません~お雛様みせてください~」と言う。やったことないけどハロウィンの感じだと思う。

 

 

店内の様子
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化粧品はどこだ

 

 

人形と他のいろいろなものが飾られている。店番のお姉さんの話によると、全て私物で代々女子が誕生するごとに贈られた雛人形らしい。古いものだと90年くらいになるそうだ
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ということはばあちゃん90才か 

 

 

自分が今までに行った町の祭りでは無かった、ガラスケースの人形。これは街頭でも見られたのだが、女子誕生の際に親戚が贈るものらしい(雛人形は親から)
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店内には巨大まつぼっくりがたくさんあり、〝今メイン会場にいる、ここのあるじが毎年取りに行っている〟とのこと

 

 

ふと雛めぐりマップに、行った店をチェックする欄がないことに気がついた。こういう催しにはスタンプラリーが付き物なのだが、聞くと2~3年前にやめたという。人形を見てもらいたい町側の思いとは裏腹に、スタンプの景品だけを目的にする者が目立ったからだそうだ。

 

 

たんなる客寄せイベントではなく人形を大事にしている
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店にはご当地ペコちゃんもずらり並んでいた。〝あるじが好きで〟

 

 

一軒目からたくさんの話を聞かせてもらった。次にお姉さんの薦めの会場、商工会へ向かう。近づくと一面赤いショウウィンドウに、あれだな、とすぐ分かった
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立派な御殿飾りが並んでいる

 

 

所蔵または寄贈と書かれた札がある。先ほどの化粧品店は個人宅が所有するものだったが、こちらは町の皆の人形で飾られていた
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○○区、○○様所蔵と書かれていて、そういえば実家は10区だったなあと思い出す

 

 

商工会から数歩で公民館に着いた
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入り口に人形があったので目的は達成されたが、お手洗いを借りるため奥へ進むと、ホワイトボードの本日の催しに、雛めぐりマップに載っていたイベント参加グループの名があった。ここが控え室か、練習場だろうか

 

 

次に訪れた金井洋品店さんの人形も、こちらの子ではなさそうだ
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雛具らしき漆の台にレシートの替えが乗っている

 

 

たいこ焼きのとみやさん。お菓子と雛人形はベストマッチ
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宝飾メガネ時計ひうがさん。これはここの子だろう。今どきの様相の人形から、最近生まれた子どもがいると伺える
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ファッション&インテリアすみれさん。昨年は町から8段飾りを借りてショウウィンドウに飾ったが、今年は小さいものが届いてしまったため店内に置いたそうだ。店の奥さんが申し訳なさそうに〝手違いで〟と何度も言った

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ウィンドウより店内に入れたから嬉しい

 

 

自分が東京からやって来て、出身は宮城と証すと話題は震災へ。奥さんの息子さんが行動力のある方で、すぐに仲間と支援物資を集めてこの店をいっぱいにしたらしい。そして震災3日後には自ら届けに行ったという
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〝コンビニでおにぎり買い込んで親戚がスタンドやってるからガソリン積んで…〟

 

 

その頃自分は故郷を思うがオロオロするばかりであった。頭が下がる。

2度向かい、炊き出しをして現地で群馬名物焼きまんじゅうも作ったそうだ
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新町名物はみそまんじゅうらしい。奥に書かれている(酢屋製菓さんより)

 

 

また、新町はかつて自衛隊や紡績所へ勤めるために東北地方から移り住んだ者が多く、カネボウ紡績の女工さんは仕事をして、皆でバスで学校へ通っていたそうだ。

自分は偶然の故郷と繋がる話に聞き入った。だからこの町の人々は昔から〝よそもの〟に抵抗がないらしい。

 

 

まさに親切に話してくださり、ありがとうこざいました

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こちらは奥さんの紹介で向かった純喫茶トムソンさん。古い人形と昔ながらの喫茶店とカレーの香りが独自なオリエンタルを生んでいた。

 

 

次はメイン会場の行在所公園。新町駅から真っすぐ向かえばマップによると徒歩5分のはずなのだが、町人と濃い時間を過ごさせてもらったおかげで、辿り着くまで2時間かかった。(お手洗いとか趣味の石仏に足を止めたりしたが)

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ヤッタ!ひなまつりスープだ!一息つく 

 

 

メイン会場では日によって雛まつりコンサートやバザーが開かれ、商工会女性部の方々が寒空のもと、元気に新町名物カツ丼や焼きまんじゅうを販売している。先ほどすみれで聞いた件をふまえて「だれか東北出身の方いますか」と聞いてみたら〝たしか○○さんがそうよねえ〟と言われた。残念ながらその場では会えず
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地元のせいか、東京のゆるキャライベントよりリラックスしているように見えたぐんまちゃん。隣は新町名物カリボーのキャラクター「カリ坊」

 

 

女性部の方に〝御朱印もらいに来たの?〟と言われた。唐突だと思ったが、近くに御朱印が人気の神社があるらしい。雛めぐり会場でもあるので次の目的地にした
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近くとはどれくらいか尋ねると、1・2分と本当に近い。新町は高崎市の飛び地なので町自体が2キロ四方と、小さいらしい

 

 

明治天皇新町行在所にはびっしりと人形が飾られていて、迫力あるが建物のやわらかい空気に包まれていた
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140年前に天皇が泊まったところ

 

 

次の於菊稲荷神社は新築で、賽銭箱向かいの扉はガラスだ
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大きなお雛様とお内裏様と対面

 

 

確かに御朱印を求める人々が絶えずやって来ていた。女性部の方は〝絵を描くような〟と言っていたが、御朱印が載った新聞記事を見ることができた。「アートのような崩し字で…菊の字を白狐の尾に見立てている」と書かれている
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自分はこて絵に感激し、撮影不可のためメモをとった。〝「龍の歯医者明治9年に近隣の歯科医師が奉納した漆喰絵馬。当時の治療道具を知る上でも大変貴重な資料である〟

 

 

こて絵の他にも多くの絵馬などの文化財が展示されていて、宝物殿を拝観した気分だった
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於菊稲荷神社 - 於菊稲荷神社

 

 

近くのまつしま肉店さんで食事休憩をした。高崎名物オランダコロッケをその場で揚げてもらう。チーズ入りでアツアツ
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生肉+人形

 

 

あの神殿は結婚式場かしらと思ったらガトーフェスタハラダ新本館店。東京でも買えるから、と甘く見たが中山道店には限定シューアイスがあった。買いそびれた
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レジが行列だったのでサービスコーヒーだけもらって出た。紙コップがハラダコップだ

 


ハラダ稲荷
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河野石材店さん
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新町の雛めぐりも終盤に、お米とお茶の店浜名屋田辺商店さんを伺った。たしかこちらの人形は私物と聞いた気がするが、町人のエピソードが盛り沢山だったため、記憶がついていけない

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左側のガラス戸の向こうは居間になっていて、テレビとコタツが見えた

 

 

京や江戸雛に比べると顔がふっくらしているなと呟いたら、店のお母さんが群馬メーカー製と教えてくれた。昔はお茶箱に入れて人形一式あったけど、蔵など建て替えるときに処分してしまったそうだ。建て替えといえば、於菊稲荷神社は建て替えで綺麗になったうえに、喜ばしい事があったらしい
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「神さまと繋がる神社仏閣めぐり」 新刊本のお知らせ|桜井識子オフィシャルブログ「~さくら識日記~」Powered by Ameba

 

 

桜井識子さんというスピリチュアル界の有名人がスピリチュアルなきっかけで於菊稲荷神社を訪ね、話題になったそうだ。お母さんが本を見せてくれて、〝ほら、ここ〟と指差す行を自分が読み上げる。お母さんはとても嬉しそうだった
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お母さん曰く〝昔はさびれてたのに〟

 

 

話は変わり新町グルメを尋ねるとまず「ハラダ」、焼きまんじゅう、と答えた。そしておもむろに〝ちょっと待って〟と言い、ガラス戸の向こうに消えると、中から〝…チン〟という音が聞こえた

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ふるまい焼きまんじゅう

 

 

ちょうど家にあったという焼きまんじゅうを温めてくれたのだ。まんじゅうはふかふかで甘じょっぱくて美味しかった。しがない旅人をこんなにももてなしてくれるとは、申し訳なく思った自分は近くにあった小豆を買うことにした。

 

 

お母さんは〝そんなのいいのよ〟と言ったが自分の気がおさまらなかった。しかし小豆炊いたことないけど、と告げると、〝小豆は難しいよ〟と忠告される。それからしばし小豆の炊き方を聞くこととなった
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これはなぎなた発祥の地碑。当地は絹糸紡績と群馬県ボーイスカウトと日本スリーデーマーチ発祥の地である。あとハラダ

 

 

申し訳なさから小豆を手に取ったが、新町が「初めての小豆の地」になるとは素敵なことだ。お母さんありがとう、わたし上手に炊けるように頑張る!

 

 

お買い物券が集まったので最後にメイン会場へ戻り、福引きをすると雛まつりタオルが当たった。肌触りがやさしい。

 

 

まもなく駅に着くという時、リブ化粧品店の前で商工会女性部の方たちとすれ違った。自分が会釈をすると、〝また来てね〟と言われた。

 

 

ああ、あの中の誰かがあるじなんだなあ
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毎年どこかの山に取りに行ってるって

 

 

今回巡ったのはイベント参加店の一部だが、ひどいくらいの充実感だった

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みんなの話が覚えられない。写真はスーパーフレッセイさん

 

 

町と人形のコントラストを感じた

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新町、また行きます。小豆の報告する