きっぷ2000円 酒300円

18きっぷでぶらぶらしたり酒を飲んでいます。恥を書いて昇華する。

京都 地蔵盆の頃

夏に京都へ行った諸々を~

 

 

これはあぶ玉丼(油あげ玉子とじ)
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おもしろサイト「デイリーポータルZ」を見て食べに行った郷土料理。記事にあるように、食べると水木しげる顔になった。

京都衣笠丼の一見地味ながらそのパンチの重さに言わせてください、イケズと - デイリーポータルZ 

 

 

夜に京都入り、水木しげる体験をして翌朝は絞り工芸館へ行った
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京都絞り工芸館

 

 

地球儀と巨大几帳と、大物の展示がメインだった。館内で見るとこう
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この色、柄が絞り染め

 

 

直径2.5メートルの地球儀内は風船のようになっていて、しぼませて運ぶと聞いたがそれから約3か月後、東京のギャラリーに工芸館がやってきた
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再会(撮影不可とあるが許可頂いた)

 

 

実際に来てくれるとは感無量だ。巨大几帳のほうは制作期間8年、京都の四季をモチーフとした4つの連作のうちの一つが展示されており、幅が6.5メートルもある
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この日は「夏・五山の送り火」の展示。辻が花という特別な技法を用いている

 

 

絞り染めが好きだ。絞って染めて、絞りをほどくとバッと広がる模様はまるでマジックに見える
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ぽこぽことしたシボもかわいい

絞り染め - Wikipedia

 

 

京都の絞りの技法代表「京鹿の子絞り」は、絹糸で絹の生地をくくる(絞る)。綿に比べるとつるつるして難しい
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東京会場の映像コーナー。テロップより「絹糸で9回巻き上げます」。見ながらコーヒーとお菓子をもらった

 

 

例えば手絞りで着物を作る場合は1日300粒くくり、完成までは15万粒、1年かかるそうだ。糸をほどく前の生地は凄い粒々である。凄いとは、細かい・硬い・均一に粒(絞り)がびっしりで、ウロコの類いに似ていた。人間業とは思えない
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過去のチラシより。サイズ感わかりにくいが細かい。これほどの業を持つ職人は減っているそう

 

 

15万粒などをほどく工程も凄い


絞りをほどく - YouTube

 

 

あとで訪れた西陣の、ハンドメイド店の奥さんに「さっき絞り館に行ってきた」と話したら、引きだしから絞り生地を取り出し〝父が残したものだけど、勿体なくてほどけない、自分の代ではほどけない〟と言っていた
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博物館でもないのにそんな貴重なものが引きだしからサッと出てくる。さすが歴史的繊維の町だ(写真は西陣織会館)

 

 

東京会場のテレビかげになっていた、絞り会代表挨拶文を抜粋して紹介したい
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〝残念ながら、現在の職人では成しえない緻密な絞りもあります。私達は数十年前より、今後、絞れなくなるであろう技術の絞りについて、職人の足跡を残す為にも、大切に染色前の状態で倉庫に保管して参りました。現在の絞りと比較すると雲泥の違いがあります〟
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〝また、私達は未来に向かって立ち止まることなく新技術の開発に取り組んできました。今後ますます絞り染めは希少なものとなって参りますが、世界中の絞り愛好家の皆さんの期待に応えるためにも、これからも最高の物づくりを目指します。〟

 


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新技術「京ほたる絞り」の手拭いを買った。〝緻密な針目の中に、ぼんやりと浮かび上がるような表情が特徴〟とのこと。星座みたいで綺麗。

 

 

絞り染めは自分にとって高価。だから小物などで楽しんでいる。極微力ながら絞りの発展に貢献したい
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絞りカード、皆に送りたい。

 

 
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絞り工芸館前では地蔵盆が開かれていた

 

 

その日は地蔵盆だった。地蔵盆とは、名は聞いたことあるが、内容を知らないでいた。当日は工芸館しかり、出会う地元の人々に〝東京は地蔵盆ないの?〟と尋ねられる。しかし無知なためか東京と地元宮城でも聞いたことがない
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町にあった絵画から推測してみる

 

 

花火、福引き。一般的なお盆の直後にまた祭だろうか。プログラムが貼ってあった 
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けっこう一日がかり

 

 

地蔵盆とは関西に多い風習で、町内会ごとに開かれるが近頃はやらない町が増えているそうだ。〝このへんではまだやってるけど〟と、ハンドメイド店の奥さんが教えてくれた。看板犬が可愛い店だった。

 

 

二条城より東側の絞り工芸館から、西陣を経由し織成舘へ向かった。40分歩いたおかげで他の町内会の様子も見ることができた
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その幕は西陣織だろう。道端から工芸品を拝めた

 


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パンの名店ル・プチメックに寄ることができた

 

 

手織物の博物館「織成舘」に到着。「復原能装束と全国手織物」などの展示を見た。刺繍と見紛う能装束生地にはまた職人技術の凄みを思い知り、全国手織物は沖縄の芭蕉布など、草木繊維の織物から涼を感じた
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サイトから能装束を見ることができる
手織ミュージアム 織成舘

 

 

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展示物もさることながら、織成舘の静けさがよかった。帯製造店兼居宅だった建物は昭和11年のもの。庭を見ながらみやびなお菓子まで頂いた
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手前は太田胃散

 

 

入館500円で展示物と庭にお茶付。織成舘を出る時には施設案内のおじさんに次の目的地を尋ねられ、大阪のライブハウスに行く事を伝えると、詳しい道案内をしてくれた。○番のバスで○駅で○線に乗って、○番で○駅のほうが近いけどあっちまで行った方が電車に座れるから、電車賃はこっちのほうが…等々
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軒先まで出て丁寧に教えてくれた。なんというサービスか

 

 

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ライブ無事に見れました(出演:ヒダリ)

 


織成舘リーフレットからも優しさを感じた
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「喜び造りそば造り」っていいな。

 

 

大阪でライブを見たあとは京都へ戻り、立ち吞み「庶民」へ。都においても馴染める店だった
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宿は1泊ずつ2カ所で、朝食パンバイキング付きゲストハウス比べ。1軒目はパンの具やカレーライスなど様々あり、2軒目は主に菓子パンだった
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ゲストハウス近くで見た地蔵盆
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電話だし地蔵でなく如来

 

 

調べると〝電話の工事中に土の中から出てきた大仏〟で、地蔵盆の他に大日如来盆という行事もあるらしい。通常は地蔵の翌週にある大日如来盆が、この地域は地蔵と同時期とのことだ

京都の地蔵盆 なぜ?電話大日如来様|信三郎商舗のいちにち
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京都はまつりが目白押し

 

 

京都を後にして向かった安土では〝地蔵盆は来週〟と聞いた。

 

 

短い時間だったが今回も路地を歩くだけで色々なものが見えた
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廃業店に置き去りの人形が絵になる

 

 

モーニング可能な京樽。コンコース敷地アウトぎりぎりのイートインだ
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ところで今日、自宅近くのクリーニング店で見た看板が色々とリンクする。この人も油あげ初めはしげる顔になったのだろうか
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自分もまた行く。