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18きっぷでぶらぶらしたり酒を飲んでいます。恥を書いて昇華する。

東京こて絵散歩

石仏巡りをしていたある日のこと、「こて絵」というものを初めて知り心掴まれた。


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「江戸東京石仏ウォーキング」という本に沿って巡っていたら、品川・善福寺のページに、“この寺は本堂に伊豆の長八のこて絵が残っており、注目に値する”と書かれてあった。



波の伊八ならしってるけど、長八しらない。こて絵って何だ。意味が分からないまま善福寺に行くと、そこには今まで見たことのないかっこいい壁があった。


調べた。(ウィキペディアより)

■長八は江戸から明治時代にかけて活躍した左官職人、工芸家。なまこ壁、鏝絵といった漆喰細工を得意とした。
■こて絵は、左官が壁を塗るこてで絵を描いたもので、漆喰装飾の技法。漆喰は貝殻と木炭を重ねて焼いた灰で作る。


説明書からイメージしにくいからもっと実物を見たい、と思ったが東京にあまりないらしい。


■長八の生活拠点が江戸であったため作品は東京地区に集中しており、大半が震災や戦災で焼失してしまっている。


数少ない長八と、お弟子さんのこて絵を見に行くことにした。(注・美術論的感想ありません)





■東品川の寄木神社

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ガラス越しに見る。もっと近づきたい!


■四谷の須賀神社

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最近話題の映画の舞台らしく、聖地巡りしてる男女がいっぱいいるがそんなの関係ねえという勢いで、こて絵を目指す。

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お弟子さんの。額と一体なところがこて絵ならではですな。

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きちんと保護されており着色が綺麗に残っている。天井絵も鮮やか。


この須賀神社のこて絵が掲げられている場所というのが、本殿の賽銭箱の両脇、奥まったところで、絵の存在しらぬ参拝者の死角。

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聖地巡礼に来る男女らの拝む先に私はいたぞ…!
(出づらかった)




二つのこて絵物件を廻ってみたが、初めて見た善福寺のかっこよさとは違う。



■北品川の善福寺

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重々しい山門。絵は本堂に塗られている。

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この朽ち方がいい!

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まるで龍の住処。

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壁感。左官の凄みを感じる。




善福寺のこて絵が好きだ。しかしいつまで見ることができるのか不安なほど荒廃が激しい。廃仏毀釈の影響だろうか、同じ品川、寄木神社のこて絵は区の指定文化財なのに。歴史感じさせる傷みとして見れる今のうちに保護していただきたい、品川区。




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子ども向けのある本を見てみたら、しっくい実験が本気。





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むかしのガラス



今回こて絵散歩をした品川の旧東海道はもちろん、四谷の道にも見所があった。

“こんなところに伝統工芸松本桐箪笥の店が…” と思いきやその隣に、朝5時からロックイベントを行うことで知られている狂気なライブハウス「四谷アウトブレイク」を見つけた。

酒屋に釣られて路地に入ると有名なうどん屋と、長崎県のアンテナショップがあった。
後に偶然このうどん屋を訪れることになったり、アンテナショップで買った菓子は福島県二本松で雨具と交換することになる。何気ない散歩がどう転がるかわからない。

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歩くのはいいぜ



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